裏窓から。8月篇
【巻頭言】
梅雨明けのころからは、何も変わらない澄み切った青空が広がり、暑い日が続いて熱中症のニュースが届いてきますが、光化学オキシダントの発生量は8月になってから幾分少ない様子です。
あっという間にお盆が終わってしまいましたが、まだまだ、空を見上げる毎日が続きます。青い空と白い雲、今は夏休みも真っ盛りで、この夏空の下、元気に遊んでいる子供たちも多いことでしょう。光化学オキシダントという過去にはなかった物質が私たちの暮らしを脅かし始めて何十年も過ぎます。朝日を拝み、夕日を見送る。人間は天性として、空を見上げることが好きであったのではないかと思えてきます。
天に抜けるような快晴の空を見上げながら、今日の空は私たちにどんな現象をもたらすのだろうか、と毎日青い空を見上げます。いつものように、県警屋上のヘリポートがくっきり見えて、そこからぐるりと見渡せば伊勢湾が広がります。神島までくっきりと見える日も意外と多いです。こんなところからでも海は青く、小さな船もくっきり見えます。時にはキラキラと光って輝くこともあるのだと気づきます。秋が深まるころまで、空を見る毎日が続きます。
【あとがき】
これを書き始めた8月7日は立秋でした。まだまだ残暑が厳しいようですがみなさんのそばには秋の気配が漂い始めましたでしょうか。
髪切ってバッグの中の缶ビール(八木早苗)
8月3日の「ねんてんの今日の一句」は清清しい一句でした。
学生さんは夏休みですね。長い夏休みになったら、みんな思い思いに実家に帰ってしまって、帰省する元気も金もない私はあまりの暑さに肩まであった長い髪をバサリと切ってしまった二十歳のころを思い出しました。
下宿にはシャワーもなければクーラーもない。扇風機が24時間回り続けるという四畳半でひたすら夕立を待ち続けた。補講で提出するレポートは一向に進まなかった日々でした。でもでも、刻々と時は過ぎお盆はやってきて、やがて秋の風が吹くようになります。
前に書きましたように、我が家は寝室でのエアコン使用を断念しましたので、連日暑い夜を送っています。それはあたかも70年代の東京都心の下宿にタイムスリップしたかのようで、二十歳のころを思い出しながら暑さを愉しんでいます。
そういえば、この暑い夏に、森先生も梅棹先生も、つかこうへい氏も逝ってしまったなあ。科学技術でも経済理論でもない何か新しいモノで世の中を変えなければ世の中はよくならないような気がする。
暑い夜にそんなことを考えていると、眠ってゆけます。もうひとがんばり、です
ね。
すずむしの声のほうから風が来る (「風の一句」から、拙句)
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