稲の花咲いてお父うと畦をゆく
7月30日 (火)
お米をもらいに家に行ったら、冷蔵庫にスイカがあったので半分に切ってお匙ですくって丸ごといただいた。
今年、初スイカだった。
子どものころは、一個丸ごと食べたものだが、このごろはそんなこともしなくなった。
畑で収穫するから、お店に並んでいてもどうしても買う気になれない、というのは仕方ないことかな。
母に
「なんばは?」
と聞いたら、
「二三日前に全部食べた」
と言われた。
「今度来るときは、新米やで」
とも言われた。
もっと頻繁に家に顔を出しなさい、
というお叱りのようであった。
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稲の花が咲くころに水田では農薬の散布をする。
そんな当たり前のことを、先日近所の田んぼのなかをウォーキングしていて思い出した。
田んぼの匂い。
稲の花の匂い。
農薬の匂い。
日暮れの水田一体には農薬の匂いが立ち込める。今の時代は事情も変化してそんな光景も見かけないし、そんな農薬も使用しなくても済んでいるのかもしれない。
農家の人々がカンカン照りの暑い日に田んぼに出ているのを見ると、働き者だったお父うのことを思い出す。
日が暮れて小屋に帰ってきてからも、器具の手入れや片付けで忙しくしていた。
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歩きながら考えた。
ぼんやりと雲など眺めながら歩いていることなど、あの人には想像も出来なかったことだろう。
あの人が苦心して作り上げた田んぼの稲の花が咲いている。あと1ヶ月で収穫だ。食えば他所のコメとは格別に味が違って旨いと誰もが言う。(ビールの銘柄判別よりも簡単にわかるほど)旨いらしい。
農業をしたいと思ったときは手遅れだった。
人生で後悔をすることの中ではそれが一番かも知れない。
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