鬼はどちらへ ━ 鬼は外 そっと裏口の鍵開けておく
▪️ 鬼は外 そっと裏口の鍵開けておく
鬼は外と叫んだ日は遥かむかしのことだ
大人になってすっかり息を潜めてしまった
果たして現実的でないからといってやめてしまって良いのだろうか
もっと真剣に鬼は外・福は内と叫ぶことが必要なのではないか
ハナからそんな古典的伝統をバカにしているヒトたち
伝統儀式など迷信の延長なのだと高を括るヒト
十分に現在の暮らしに満足して貧しさがあふれた昔の暮らしを引きずったような風習には無関心だというヒト
たった今を生きてゆくので精一杯で他人のことなど構っておれないだろうというヒトもあろう
鬼を心に棲ませる
閻魔様を忘れない
仏を心に秘める
罰が当たるのを恐れる
神の眼差しを感じる
今やそういう時代ではなくなった
コインを二つ三つ手に握って
食べ放題・飲み放題という店へと出かける
ホンモノを見失ってしまった時代を嘆いたことがあるが
そのあとにはホンモノを見分けることのできないヒトが溢れ
もはやホンモノを求めないヒトが常識化し
物の見方が薄っぺらくなってきて
一方で豊かな暮らしを求め続け
あたかも満たされたような錯覚が広がり
幻影と実像が区別がつかないヒトが増えてゆく
回転すし屋が食べ放題に転換しているというニュース
適齢期を少し過ぎた(かも)という女性が五十歳ほどの男性を紹介されたという呟き
モノがどのようにあるべきか
を考え続けると理屈を言うといって煙たがれる
どちらが間違っているのか
何がおかしいのか
考えようとしない世相
やはり
鬼は必要なのだ
どこにいってしまったのだろうか
頼りになる鬼
わはく(秘)伝
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