旅路のはてに求めたもの
▶️旅路のはてに求めたもの
遥かむかし
旅路の果てで
心から切実に願ったこと
それは何にも縛られぬ
解き放たれた自分の姿だった
だが、しかし
ある場所に辿り着いてみるとそれは
幻想にも似たもので
空間をさまよう得体の知れないもの
カタチのなどなく
影もなく
現実からはかけはなれた夢物語であり
負け犬が見た逃げ道の筋書きにも思えた
夢など追うて生きてゆくことなど
実に儚いことだと感じたことと
それに気づくことの遅かったことを
不安と疑いの気持ちで知らされるのだが
認めたくもない気持ちが
自分自身と葛藤していた
あのときにあそこで気がつけば良いものを
運命の知らせも察することなく
願いも叶わず
ひたすら夢を追いかけ続けていた
間違いではなかったと
言い続けている自分を
いち早く捨てねばならないのにもかかわらず
着地点から目をそらせ続けていた
ぼくは
遥か遠くまで
旅をしてきたのだが
辿り着いたところは
青い鳥が見つかった夜明けのように
ぼくと背中合わせに
潜むかのようにあったステージだった
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