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2014年7月28日 (月曜日)

舵を切る

何か言葉で自分を納得させようと考え続けているのがよくわかる。バイクを降りたのは決して諦めたり飽きてしまったからではない。そのことは自らの肌が感じている。

 

だが、スキッとしないのはどうしてだろう。自分で問いかけて、そこに相づちを絶妙に入れてくれるものがあらわれないからか。

 

その言い訳じみた理屈付けを乗り越えるために、「もしも」という仮説が飛び出す。もしも、仕事を辞めていなかったら、もしも、今の仕事に出会わなかったら、などなど。

 


□■

 

水平線しか見えない遠洋への船旅のような人生のあの時期に、突如、航海を打ち切って船の舵を大きく切った。その先にあったものは、衝撃的で新しい世界だった。もしもあのまま航海を続けたら、新しいものには出会えず無知のままだった。一介の総合電機メーカーの技術者としてある側面では優雅で豊かに、そしてもうひとつの側面では井の中の蛙で終わってしまったのだろう。たとえマイナスが大きかったとしてもプラスがあったところに歓びを感じることができた。
(何よりも大勢の愚かな人々が愚かな会社を愚かな方向に導き社会までも変質させてしまうことができるのだということも分かった)

 

オクラ

 

実際には仕事を辞めて新しいことを始めようとして、それを損なってしまったわけだが、出会ったものが私の心を幸せに導いてくれた。もっと早く二十歳のころに出会えば全く違った生涯を送れただろうにと後悔をした。

 

だが、冷静に考えると湧き出るように見えてくる人生の筋書きのなかに、二十歳のころに現在の業界のような仕事に出会っていた…というドラマがあったに違いなく、紙一重なのかわたしの失策なのか断定できないが「没」になった。

 

どこかにも書いたが、曽祖父が村長、祖父が村議会議員、父が公務をしてきた。皆が社会に尽くした人たちだっただけに、わたしだけが恩返しを怠り逃げ出したのは掟破りであったのかもしれない。

 

人生は一度きりとはまさにその通りで、目に見えない神の導きに出会えなかった不運だとも思う。

 

急降下のころに、ムスメは受験時代を迎えていた。何がどのように転々とするのか理屈も何もないと思うが、着地点をしっかりと見て、着地するからにはそのモノをよく知り尽くし自信を持って生きてゆく。

 

果たしてわたしがあのときに感じ得たことは、伝えたい人たちに伝わったのだろうか。舵を大きく切った人生であったが、その舵をこれから引き続きしっかりと操縦しようと考えている。

 

 

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