梅雨めく ─ 芒種篇
天気予報の降水確率は50%を超えていないのに、早々に予想を外れて小雨が降りだした朝であったが、午前中の健康診断のときは一時的にあがってくれた。
今月になってから5日余り食事を心得てお酒も控えてみた。この結果がなにか数値に出るならばおもしろいと思い我慢をした。
我慢をするというということは、とても大変なことで苦難を伴うことが多いが、日常の暮らしでチャレンジする程度に苦難なものはさほど無い。1年も2年もかけて受験勉強をするとか修行を積むということには無縁の年齢になってきて、ビールやウイスキーを控えることなどに努力も何もない。
昨日飲まなかったら今日も飲まない。この繰り返しであった5日間であるが、5日のツマの誕生日にお茶を飲んで過ごすのは少し寂しかった。
健康診断の血液検査の結果次第では、控える歓びも出て来ることが想像できる。お酒を控えてお茶をゴクゴクと飲みながら、日常に旨いと言って飲んでいるウイスキーの味やその必要性を省みることもできた。酒や食事は旨いものを旨いまま爽快な気持ちでいただくという基本を忘れないようにするためにも数日間控えたことは有意義であった。
健康診断が終わった6日。この日の夕方、おいしいケーキとかワインとかを買ったのかとツマにメールをしたら何も買っていないというので、帰宅してからワインだけでもと店に出かけるように背中を押した。
いつものお魚屋さんのお寿司で、いつもよりも少し高めのにぎりを買ってきたようで、私の誕生日やし少し高めのんにしたわ、ええやろ、と言いながらつまんでいる。私に買ってくれたちらし寿司に中トロが載っていたので自分のマグロと入れ替えて食べている。それに、ワインを、というようなへんてこりんでささやかな誕生祝いであった。
マイマイガを発見(拡大写真)
夕方、雨があがって蒸し暑くなっているので、汗にまみれて帰り着いた。そのときにはまったく気づかなかったのだが、ツマが買い物に出かける直前、門塀に大きな毛虫がへばり付いているのを見つけた。思わず写真に撮り名前を調べたら「マイマイガ」というポピュラーな毛虫であるとわかった。刺したりするような害も及ぼさないと書いてありホッとする。
よく見ると綺麗である。羽化すると蛾になるのだが、蝶よりも我のほうが美しいのだと昆虫に詳しい人が話してくれたことを思い出し、こうして毛虫を見ていると、幼虫の美しさにも見とれる。
荒れ放題にしている庭の片隅であじさいがひっそりと咲いている。
▼ 紫に庭もつゆめく雨あがり
▼ ものぐさな庭も梅雨めくにぎやかさ
そんなことをぼんやりと考えていた。
bike-tourist.air-nifty.com > Apple 散歩(写真日記)
« 木のいえ | トップページ | 話を聞き始める(3) ─ 昭和30年代の回想 »
「【裏窓から】」カテゴリの記事
- 処暑ノート 裏窓から・処暑篇(2016.08.23)
- 餃子二つがぶりと食って雨水ぞよ(2016.02.22)
- 一子相伝 ─ 元旦篇(2016.01.01)
- 年の瀬に母を訪ねて考える ─ 冬至篇(2015.12.23)
- 冬眠をする ─ 大雪篇(2015.12.08)
コメント