いさぎよく
「夜になっての雨できっと散り始める。」 そんな風に30日のブログを終わっている砂女さんの凛とした姿を、お目にかかったことがないのだが想像してみたりする。
このなかの一句に「書ききれず出せない手紙残る雪」というのがあり、いかにも私もこういうのが好きなのだなと思いつつ、感想など言葉にできずに夜が更けた。
日が明けて、昨日見た満開の桜を思い出し、今度あの花たちに会いにいくときは少しではあろうが散り初めているだろうと思うと、「夜になっての雨できっと散り始める」と、砂女さんがこう書いたところに「桜よ散らないでおくれ」という心が、「どうぞ散っておしまい」へと潔く変化する微動が隠されている……のではないかと気付いた。
先輩に軽々しく言うことではないが、「書ききれず」にも現れるささやかな無念を残しながらも、潔く散りたい。
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