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2012年3月31日 (土曜日)

沈丁花あの日のウソは朧月 ─ 3月下旬篇

瞬く間に三月も過ぎて行った。
こうして季節が巡り
歳を取り、
わたしは成長し続けるのだ。

 

3月22日(木)

 

▼沢庵でお茶漬けしたら父思う

 

20日は父の誕生日で
生きていれば81歳だ。
66歳で逝ってしまったことを思うと気の毒だが
そういう人生を
そういうふうに
満喫した人だったのかもしれない。

 

▼春の雲どこまで行っても君遠く
▼お別れの指切りの向こうに春の雲

 

春は切ない季節だ。

 

3月23日(金)

 

▼長い夜眠れぬ背中を感じてる

 

少し暖かくなってきたせいで
眠りが浅いような気がする。
眠れない夜を過ごしたのは
記憶にもないほど昔のことだが
春先は眠れないなと思いながら寝返りを打つことが多い。

 

わたしは隣で眠る人の寝息が気になって眠れない
というような繊細な神経の持ち主ではないので
眠れぬ夜を浮遊するように愉しんでいる。

 

朝は来る。

 

▼言い訳を考えつつ傘をさす
▼シャッターの音聞きたくてキミを見る
▼物語、曇る車窓の指のあと

 

通勤列車に乗ってくる高校生もいなくなって
静かな時間を過ごしている。
毎朝会う子供たち、今年度から3年生やなあ。

 

3月25日(日)

 

引っ越しは土曜日に済ませてしまって
日曜日はのんびりとしている。

 

▼この指にとまってほしい子逃げてゆく
▼沈丁花あの日のウソは朧月
▼豆鉄砲貴方が倒せるものならば

 

ぼーっと暮らすと、十七音のリズムを失ってゆく。
激しく熱した自分のほうがスリリングだ。

 

3月26日(月)

 

8階の窓から公園を見下ろす。
道路から坂道にぼんぼりついたのが見える。

 

嬉しいな。

 

▼窓いっぱいウソじゃなかった晴れの朝
桜情報は、カウントダウンとなった。

 

3月27日(火)

 

▼今朝の雲ひとつもなくて空白で
▼空白と言った貴方の心模様
▼もう住まないあなたの心の片隅に

 

これは、朝の通勤列車の中で思いついたものだ。

 

息を吐いたように春休みになって
みんなさようなら、またね、と別れを惜しみあい
4月になったら
熱く肩を組み、頑張るのだ。
新しい人と。

 

そんなことを考えながら
あなたを思ったのだろう。

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