赤い花アナタの心に突き刺して ─ 九月彼岸篇
9月が終わってゆくね。
あっという間に。
秋は好きなのですが、
好きというにはあまりにも足早に終わってゆくので
好きを愉しんでいる暇がない。
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台風通過が、9月21日
彩が沖縄に、9月22日
飛鳥散歩は、9月24日
ゴロンゴロンと9月25日
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微分積分というモノを高校時代に習ったのですが
この考え方が数理学として確かなものになったのは
割と近代であったのではないでしょうか。
それまでは、解析学というよりも、
数列の概念でモノの変化を捉えていたのでしょうね。
数学理論は難しいので得意な方に任せるとして
数学史や科学技術史を分かりやすく紐解いてゆくと
社会の哲学の変化を一種の理学として見つめるのに役立つような気がする。
変化を読み取るということは
本能的にも非常に重要な才覚で
学理的にも欠かせない。
無意識に人々の心理に潜むものを掘り起こし
役立てるというのは改革に欠かせないことで
微分的にモノを観察する習慣は、
多くの人々に無言で求められている。
*
秋という季節が、このささやかなる変化を
しかも予測不可能な変化を連日起こすために
好きだといわせない冷たさを感じるのかも知れない。
言ってみればやんちゃな季節なのだ。
│ 9月19日 月曜日
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▼秋の味届けてくれて初対面
▼心から好きですの言葉、傍に置く
▼傍らに置いて立ち去る恋手紙
得体の知れない女に
不惑な魅力を感じ
夢中になってゆく
売れない詩人の書くドラマ。
しかし、だ。
結構、日記として面白い。
そのころのドラマが蘇えってくる。
現実は忘れてしまって、何ひとつ浮かばないから
ある意味では都合がいい。
│ 9月22日 木曜日
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▼赤い実はわたしの心に淋を置く
▼好きな人への手紙は嵐の波にさらわれて
どうやら、好きな人のことは諦めて
ひとりで秋を愉しもうと決意をしたのか。
いいえ。
ねこがよそ見をする振りをするようなもんですか。
(分かるかな)
│ 9月23日 金曜日
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▼秋分にそそくさ季節を片付ける
▼なすび和えひとりで食べて夏送る
▼秋茄子を食うておかんを思い出す
なすび和え。
これは伊勢平野の人だけが食べるものかもしれない。
茹でたナスを味噌で和えるだけだ。
朝ごはんのあつあつにぴったし合う。
│ 9月25日 日曜日
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▼赤い花アナタの心に突き刺して
激しさはさらに増すのだが
私はあの人が穏やかに
花を生けている姿が好きだ。
あの人が好きなのではなく。
あなたの心に突き刺しても
かまわないんだ。
大好き、と言いながら。
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