衣更え想われニキビを手で隠し ─ 入梅まで
5月17日(火)
満月を見ていたのだろう。
メモには
▼ほんま綺麗なおっ月さん
と書き残している。
5月18日(水)
前日、月を見上げた私は、ひたすら、月を眺めて夜を過ごそうとはしなかった。
このごろは、すぐに眠る。
眠れば、新しい朝が来る。
そんな感覚に似ているものを持っている。
そして、
(窓を開けて月を眺めている間に眠ってしまいました。
満月のクセに隣の屋根に隠れそうなほど低空を行く)
・・・・とあくる日に書いている。
▼丸い月アノコ髪型変えたかな
▼空をみる切ない切ない十六夜
説明は不要だろう。
青春時代が蘇っては消えてゆく。
▼風纏う青蔦の窓、キミを待つ
▼青蔦の赤レンガ塀の坂道で
▼一列で道草ちぎって振り回し
(そう、その石畳の坂道で、
いつも見かける長い黒髪が素敵な女の子に声をかけたのだった。
儚い青春時代だった。
路地を抜けると都心のオフィスビル街だった……)
ドラマは、時に儚い。
5月19日(木)
▼キミと桑の実を摘む旅はマボロシ
余韻が残ったのか。
桑の実の話は、私の胸の中だけの話だ。
5月20日(金)
5月21日(土)
記載なし。
5月22日(日)
あさ、早くに目が覚めて、
3時ころから部屋にいた。
▼ホトトギス。今、鳴いたぞ!!!!ええっ
耳を疑うが、間違いないと思う。
--
▼妬いたとて春から夏へ衣替え
そうだ。
衣更えの季節なんだと思う。
クールビズの前倒しで、少し影が薄い。
衣更えという言葉は失ってはいけないだろう。
▼栃の木が芽吹いて妬きもちふたたび
▼この髭が伸びても貴方は遠い人
ふと、過去が蘇る。
5月23日(月)
車窓に雨滴が打ち始めたと気づいたら
あっという間に本降りになった…
梅雨の近さを感じさせる憂鬱。
でも、どうにかなるという楽天感。
▼五月雨やわたしに懺悔を迫る音
雨音というのは、冷たい響きを放つ。
自動的に、寂しい思い出がぶり返される。
それほど落ち込まない。
この年になればね。
▼傘の中好きとは言えぬ石畳
▼対岸の貴方にコロッケ届けたい
いつも頭の中にはドラマがあって
いつもそこには後姿があるのだ。
▼衣更え想われニキビを手で隠し
にぎやかな女子高校生たち。
5月24日(火)
ウメサオタダオ展に行く。
▼雨が好き。ワイパー止めて君を待つ
新名神を車で行く。2時間
▼五月雨の思い出川に溺れゆく
思い出川って、どんな川なんだろうか。
5月25日(水)
▼元気ですか?とふと思い出した様に聞き
5月26日(木)
雨の季節。
キライかというとそうでもない。
▼あいつは嫌いと弱音吐く
▼雨は好き、と強がってみる
雨の中を静かに歩いてゆく姿の似合う女性を思い浮かべている。
▼梅雨入りや堕落の穢れ洗いたまえ
静かになれる。
そう、
いよいよ、朝の4時台に目が覚める季節がやってきた。
▼そして雨は静かに降り始めた。
▼南風凪ぐときを知り春別れ
▼カツオ来ててこね寿司有ります志摩半島
5月27日(金)
夏太り。
何とかしなくては。
もうすぐ健康診断や。
体重なのか、おなか周りなのか区別がつかない数字…
▼傘のなか雨の一句をさぐってる
後姿、ふたたび。
5月28日(土)
雨が降る。台風2号。
あぶない土曜日
▼ホワイトノイズのようやね、雨の音
▼土砂降りや庭にバケツをひとつ置く
台風はやがて温帯低気圧になる。
一体、私たちはどの季節が好きなのだろう。
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