二本指立ててピースな二月かな ─ 立春篇
二月。
如月。
春の気配も漂いはじめるのだが、立春と聞いてもまだ寒い。
上古を生きた人々は、こんな季節にどうやって春から夏の変化を予感したのだろう。
(4日)
メモの隅っこに
▼早く風呂に入って寝たい
と書いている。
春眠暁を覚えず、にはまだ早かろうに。
しかし、着実に身体が春に合わそうと動き始めている。
(3日)
節分だ。
豆は撒かないし、食べない。
子どものころは母と一緒に豆まきをしたのをしっかりと記憶する。
店に買い物に出ると節分商戦というか、鬼の音楽が今年もかかっていて、ああ節分なんだなと思う。
▼スーパーの鬼の音楽夢に出て
豆をいる炭でついでにかき餅も焼いた記憶もある。
お茶漬けにして食べるとうまい。
我が家では、巻き寿司も食べる習慣はなかった。
今は祭りとして夫婦で食べるようにしている。
祭りは大事だ。
人の心を寂れさせない。
▼柊が枯れてやわらぐ陽射しかな
▼式台に豆散らばってニ三粒
▼父を待ち竈の炭で豆をいる
▼式台で明かりを消して豆を食う
二月は少し淋しい季節でもあった。
それを、ふっと回想する。
▼ほんとうは好きだと言って鬼さんこちら
▼甘えても飲み過ぎるだけの鬼の面
(2日)
この日は、タコの唐揚げとカワハギを食べた
とメモにある。
▼如月やあの人の名もそんなような
その人。
今頃、どこにいるやら。
元気かな。
(1日)
日経新聞朝刊で連載している私の履歴書が、2月から安野光雅さんの登場とどなたかが書いていた。
心を、描く。
なるほど
▼はじまりました二月、もうすぐに春
▼あれっきり、まさにその通り、からっ風
▼恋してる、男を想うオンナの俳句
▼夕暮れが少し遅くなったのが嬉しくて
▼二本指立ててピースな二月かな
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