十二月の巻頭言
【巻頭言】
この季節になりますと、強く冷たい風に晒されて伊勢沢庵がはさ掛けされている景色を見かけることがあります。その姿は、凩に立ち向かうかのようで勇壮にさえ見えてきます。
岩田涼菟の代表的な作品に
凩の一日吹いて居りにけり
という句があります。
また、山口誓子も木枯らしを詠んだ句があり
海に出て木枯らし帰るところなし
が有名です。
伊勢平野に暮らす人々であるからこそ、寒風の厳しさがよくわかるだろうと思います。
師走を迎えましたが、本格的な冬はこれからです。環境のことも考えつつ、生活に工夫をして、冬を楽しく暖かくお過ごしください。
【あとがき】
CO2削減のために、暖房器具を上手に使って効率良く暖房しましょう、といろんなところで様々な工夫が紹介されています。皆さんは、どんなことを実践されているのでしょうか。
意外と見逃しがちなのは、暖房便座と温水シャワー、キッチンでは電気ポット。スイッチをオフすると途端に不便ですが、少し我慢が必要かもしれません。
効果を考えればこの程度の我慢を、1人がひとつくらいしなきゃいけないんじゃないか、って思うことがあります。ちょっと、豊かで便利な暮らしにどっぷり浸かり過ぎな気もするのです。
暉峻淑子著「豊かさとは何か」(岩波新書)を読み返してみてそう思います。
« 書きかけ | トップページ | 忘れる準備 - 井上荒野著「切羽へ」 »
「【裏窓から 巻頭】」カテゴリの記事
- 孫の離乳食メニューを大人用にちょいとアレンジ(2017.05.18)
- あしたを生みだす ─ 裏窓・号外(2014.03.18)
- 春を待つ 2月号(2012.02.18)
- 枯れ色にうつろう(2011.11.16)
- 遥かむかし ─ 2月の初めに考える(2011.02.11)
コメント