十月下旬の ─ つぶやく十七音 霜降篇
ふと、悲しいと哀しいを見つめなおしてみたりして、
何もいいことがなかったけど、
まあ、ちょっとニッコリな話もあったけど。(20日)
そんな1週間だったな。
さて
(24日)
▼満月やキミの後ろに回りたい
昨夜のお月様は見えたのだろうか。
むかしから中秋の名月と呼ばれているのが、この九月や十月の月であろうが、ほんとうに月を見あげて何かを思うのならば十一月や十二月の月のほうが心に染み渡ると思う。
▼秋の月ちょっと淫らな顔をして
(23日)
▼満月はしくしく泣いて欠けてゆく
まえに「三日月は恋をしながら丸くなる」と書いたのを読み返しながら、
ふと、そんなことを思い浮かべる。
涼しくなってきました。
朝の散歩に出かけて、優しい風に吹かれてみたい…
▼秋の朝風に吹かれる風もなく
意地悪なことばかりを書いている。
作り話はイジワルなのほうがオモシロイ。
そのことをtwitterに書いてみた。思いが色々と返ってきた。
何名かの呟きを書き残しておこう。
・「悲しい」は対象の喪失、「哀しい」は対象の存在に対して抱く感情
・失恋して恋人を失うことは「悲しい」、恋人を留めておきたいと千々に思い悩む人(の存在)は「哀しい」
・「悲しい」は透明で「哀しい」には色がある
・「哀しい」は相手を思って感じる心を表す言葉。「悲しい」は自分自身の感情ストレートに表す言葉
・哀しいは哀愁があるというか、秋のもの悲しい感じ。 悲しいは文字通りかな
・悲しいっていうと、本当に何か自分にとって不幸なことが起こって悲しい、って感じ、哀しいだと、誰か自分以外の人に対して哀れに思うとか切ないとか、何かそういうの
▼猫の道散歩ついでに追うてみる
朝は不思議なものまで見えてくる。路地を悠々と行く近所の猫ちゃん。ちょいと追いかけると、すすすっと逃げこんでゆく秘密の道。
私も迷い込んでみたい。
(22日)
▼肩寄せて月に「大好き」と指で書く
▼一人酒に憧れて手酌してみて寂しすぎ
▼夢の中ざわめく海の波に乗る
▼潮騒が貴方を攫う防波堤
頭の中が上品で爽やかなときは、素敵なつぶやきが生まれる。
モヤモヤしているときは、駄作ばかり。
この日は、
◎坂田栄男さん、逝く。うーーーん。合掌
青春時代、研究室に顔を出しては勉強しないで、囲碁を打っていた。
私は弱い。
自分を知るという意味でも大きな一撃だった。
▼さり気なくネクタイ選んで肩をポン
これは朝の通勤列車の中でぼんやりと思い浮かべた句。
(21日)
▼キミと僕、秋雨前線でつながる
▼夕焼けに切なくなって、まあちょっと
▼まあちょっとあなたに手紙を書いてみる
なんて書いてた去年の今頃を思い出している、21日のひととき。
さっきから
▼蚊がとんどる。打ち落としてやるぞ。ルーチョンキ
秋の夜長は手紙を書くのがいい。
鉛筆でもいい。
父から荷物と一緒に添えてあった手紙を思い出す。
きっと鉛筆か何かで、何かの裏紙に走り書きした手紙が添えられてあって、元気かい、とか書いてあるはずだ。
涼しくなりましたが……。汽車の中の暖房はやめてほしい。
私は半そでのカッターシャツで暮らしているのですが、通勤列車の中で暖房を入れられたら、もうこれ以上脱ぎようが無い。
勘弁して欲しい。
寒い人は上着を切るかコートを着て欲しい。
暖房で汗だくは嫌や
(20日)
▼軒先の干し柿ひとつ持ち帰れ
▼雨雨冷たい雨冷た、給料日前
▼十三夜。最も綺麗な月夜だといったのは誰だった
かな、とかふと思う
雨はいつでも恨めしい。
でも
まんざらそうでないこともあるけど。
▼恋のことプチッとリセットしたくなる
▼朝焼けと夕焼けとどっちが好きか?
こんな調子で十月の下旬は始まったのだった。
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