胡麻の花
泣き虫のまた泣かされて胡麻の花
(高倉和子)
坪内稔典さんがご自身のHP、今日の一句(10月7日)で「悲しいにつけうれしいにつけすぐ泣く人が、またまた何かで泣いている。その近くで胡麻の花が揺れている。のどかな農村の立ち話を想像する場面だ。」と書いてます。
近ごろは農家の畑でもゴマの栽培を見かけることが少なくなりました。子どものころには秋の収穫が片付いたころに、いつも、小春日の縁側でゴマの鞘を木槌で叩いたのを覚えています。
旬のモノがお店から影を潜めていってもう幾年も過ぎるものの、今年もサンマが魚屋の店先に並ぶ季節になって、心が密かに喜んでいます。秋とはそういう季節だという方々も多かろうと思います。
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春山淡冶にして笑うが如く、夏山蒼翠として滴たるが如し、秋山明浄にして粧うが如く、冬山惨淡として睡るが如し。
ついこの前に「山笑う」と書いたばかりなのに、もう「山粧う」季節になってしまいました。
秋は何をしても楽しいです。イベントも盛りだくさんですから、身体を動かしても、食べても、芸術に目を向けてもいいですね。
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