遠くに消えた君のこと
遠くに消えた君のこと
広い世界のどこかしらに
魔法の杖を持った優しいおじさまがいて
その杖をひょいとひと振りするだけで
幸せと夢がふってくるんそうなんだ。
ねえ、
僕たちもそんなおじさまにどこかで出会って
真っ白の雪の野原に二人で並んで
ひょいとひと振りおまじないをかけてもらうんだ。
魔法の橇に乗って旅に出よう。
---
静かに静かに雪が降り続いて
都会の夜を真っ白にして
騒音も雑音もみんな食いつぶしてしまうほど
大きな灰色のベールが街を包んだころに
僕は、ずっと昔に見た夢を蘇らせながら
遠くに消えた君のことを思い浮かべていたんだ。
冬に暖めて、春に融けてしまった僕たち。
そうか、僕は今でも魔法の杖の夢を見ていたんだ。
そうか。
Tags:ハート 追憶
| 2009-02-28 16:10 | 深夜の自画像(詩篇) |
« ねえ | トップページ | こぶしの花が咲いたら、古い地図は棄てて、新しい街へと旅に出よう »
「【イマージュ】」カテゴリの記事
- 「トルコキキョウというんです」 と教えてくれた(2020.07.17)
- あの人はそっとわたしのそばを通り過ぎたのでした(2018.10.02)
- つむじ風(2020.07.14)
- 封じる(2015.06.13)
- ないしょの話(2014.04.08)
コメント