またまた、にっこりな話
今までにも登場したことのあるA子さんの話。
お隣に腰掛けているA子さんと、日に日に詰まらない話も出来るようになって来たのですが、私が酉年でこの子が戌年ということで、25歳という年齢ギャップは親子の会話のようでもあります。
休日には何をしていたのかとか、最近何か映画を見たかとか、普段は御飯を食べてからあとは何をしているかとか。
些細な話をするうちに、さり気なくメールを尋ねたらすんなりと教えてくれて、週に何回かメールをする。何の意味も無いメールですが。
そんな彼女が昨日、まじめな顔をして
── ねこさん(本名で)、いい人が出来たんですよ
という。
── どうりで、先日の大雨の日に、中津川まで栗ご飯を食べに行っていたなんて、私の想像がドンピシャやん。
というと、素直にまたニッコリとしている。
この子は、この歳であるが、綺麗で尚且つお茶目なところがある。しかも非常におとなしいみたい。ひとりで静かに好きな恋人を想いながらニタニタしたりしているのが似合うところもある。
可愛らしいので、入れ替わり立ち代り男性が用事を作ってこの子のところへやってくるので、部内の男性の名前を覚えるのにも助かっている。
私は「恋人できたのか……」と父親のような感覚でひっそりと歓んだのですが、その後の仕事は少し異変となってしまった。非常にすまし顔の美人の彼女がときどきにっこりと思い出し笑いのような顔をしているような錯覚に囚われて、ちらりちらりと彼女を見てしまい、こっちまでそわそわ状態になってしまったのです。
夕方の列車の中から、私がそのことを短くメールで書いて送ったら、「まだまだ緊張していて、自分でも何を言っているかわからんことがあって、付き合うって難しいです」、というようなことが書いてあった。
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