卒業の旅行で留守のひな祭り
消えゆくごみの呟きから、救済してきましょう。
▼就職で髪を切るって、30センチ
これはうちの娘さんのお話です。ずいぶん長く伸びたなあ。どれくらい切るの、と聞いたら、30センチくらいやな、とさらりと言ってました。
4月になったら、新しい場所でひとり暮らしを始めることになります。
わたしたち夫婦は、そんな時間を2年ほどお互いが過ごしていた後に結婚しましたので、親のような人生ならば2年後にはまた新しいところへと旅立って行ってくれるのかね。
▼半月が見たいかあの人恋しいか
秋とか真冬とかですと満月が見たくなるのですけど、何故か、半分の月で満足なんです。
春だから、っていう理由で片付けてしまう。
▼追いついておはよう言いたい春の風
追いつきたい人がいるわけではありませんが、朝の通勤途上も春の温もりのおかげで、気持ち晴れ晴れ。
▼おやすみを言い出しかねてまた今宵
年度末で忙しい日が続くから、友だちともなかなかメールの投げ合いっこもできないし。ストーブがなくとも冷え込まない部屋は、妙に静かで。人恋しいか。
▼恋をして星ふる夜に手紙書き
ほんとうは、異動で遠くに行ってほしくない人がいますが、きっと、遠くに行ってしまう。恋をしているわけじゃないけど、遠くに行ったら手紙を書くかな、とか思ってみたり。
▼突然に引き潮の干潟を見たくて
海が見たい!
山里に生まれた人の癖のようなものですね。
▼別れ道、遮断機こえたらキミの家
▼髪切ったキミを追ってく坂の道
坂道と遮断機をそこに据えて、ドラマを考えてしまうのです。
シーンが時々刻々と変わるものではなく、緩い時間の中で、しっとりと考えて滅びてゆくような。結実しない物語。
▼袖の中、しまっておきたいキミの息
そういう人が、1人、いたっていいでしょ。
▼ジンクスが風上へ誘う沈丁花
進級発表のことを思い出しながら、毎年、此花が咲くときは思い出します。
別記事にも書きましたが、この花の香りは、二十歳のあのときに確実に時間を巻き戻してゆきます。
▼石畳容赦なく降るぬるい雨
あの日も沈丁花がいい匂いを漂わせていたなあ。「進級留置」の掲示を確かめるために出かけたんだな。三十数年前か
▼大好きと言っても消えてしまう恋
▼さみしいと曇る車窓に指で書く
朝の通勤列車には女子高生がいっぱい。おじさんたちは圧倒されています。
大勢が駅でおりて、座席に余裕ができたので、さっきまで立っていた子たちが座ってやっと4人で向かい合わせでお喋りができるわね、って感じです。
1人の子がガラス窓に「さみしい」なんて書いてまして、それをホームを歩いている私が見つけて。
そんなことを書いていた高校生。毎朝会うけど2年生かな。
透けたガラス窓の向こうでニッコリと笑っていました。
▼ヤンキーな三毛猫のよう、女子高生
あの高校生の中に、三毛猫のような子がいるんですよ。
ぜんぜん美人じゃない。
いつもかわいい猫のような服を着て、女子高生に相応しいオシャレをしてる。
▼さようなら、雨が上がって歩き出す
家まで歩く道で雨に降られるのはいややなあ、って思っていました。でも、駅を降りたら、雨雲が切れてくれました。
そういえば、あの人にさようならを言わなかったな。
メールしておこう。
そんな感じかな。
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▼僕の恋は、もう、そこで終わりにする
生け花は、はさみでチョキッと切りますからね。なんちゅーか、そこで止まるの。大きく息を吸って止めるみたいな。そんな緊張があると私は思う。
▼春雨や泣いて別れた赤い傘
雨の鎌倉。鶴岡八幡宮。
私は卒業式のあくる日に二人で鎌倉散歩に出かけたのでした。
3月下旬でした。
冷たい雨の降る日で、赤い傘をさして北鎌倉から歩いたのを覚えています。
▼いいよ,と許されるから、また歩きだせる
いつもいつも、口癖のように言いますが、人は覚悟を決めていたときに許されると、また再び元気を取り戻すことができます。
春は人が苦しむ季節かもしれないけど(自殺者も1番多い月ですし)
挫けそうな人も、上手に生きてこうね。
▼春雨や少し早めに薪くべる
ふと、「くべる」という言葉を思い出して、調べてみたら「焼べる」と書いてほぼ全国で使われているのかも。
▼雨雲が切れてわたしの二月果つ
二月はそんな複雑な心境で終わってゆく。
いいのだ、それで。
▼石畳容赦なく降るぬるい雨
さあ
私の絵描いた物語の続きを考えよう。
▼卒業の旅行で留守のひな祭り
娘さん、母と一緒にパリ散策。ひな祭りの前の日に帰ってきました。
雛人形は押入れに入ったままです。
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