ブルーブラックの…
ねえ
ちっとも電話をかけようとしないで
手紙を書くんだといいながら
ペンを持ってもぜんぜん便箋が埋まらないの。
あなたのことを想い続けている時間が長い分だけ
電話よりも心がこもるのだっていくら言っても
ポストに入れなきゃ、届かないじゃないですか。
ねえ、自分よ。
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今日は大寒なのですけど、暖かいの。
暖房もつけずに、背中に陽を浴びて机に向かっていると
ふっとため息をついているだけで
万年筆のインクが枯れてしまうの。
乾いたペンの筆先をじっと見つめると
昔が懐かしくなるな。
ブルーブラックのインクのにおい。
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いつも思うのだけど
不思議なことに
昔の匂いって記憶しているの。
声とかにおいって
顔よりも鮮明に覚えているかもしれない。
人の、というより、動物の避けられない本能なんだな。
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