星落ちて石となる夜の寒さ哉 (正岡子規)
今年はと思ふことなきにしもあらず (正岡子規)
年末あたりから新聞やテレビで正岡子規の名を見かけることが増えたのは、ドラマ「坂の上の雲」の影響も大きいのでしょうか。原作小説では、前半部分で子規が亡くなってしまうので非常に残念です。しかし、この物語は原作者司馬遼太郎の作品群の中でも人気が高く、また歴史小説ジャンルの中でも人気上位を占めていると言われています。
昨年は政権交代がありましたものの、一方で寒風が吹きすさぶ社会情勢が依然として続いています。しかしながら、凛然たる意気が熱く燃えている物語を見ながら、道を拓いた人々は夢や希望を決して絶やしてはいないのだなと感じます。
星落ちて石となる夜の寒さ哉 (正岡子規)
子規はこんな素晴らしい句も詠んでいます。しばらく寒さが続きますが、負けずに頑張りましょう。
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年始の知事のお話のなかに、箱根駅伝の地元勢の活躍の話がありました。たくさんの学生さんが頑張ってくれたようで驚いています。
高校時代にはさほど頭角を現さなかった選手が大学になって今年のように大活躍をするのを応援しながら、県民性のことについて想いを馳せました。あまり人の前に出てゆくことのない作戦参謀的な人柄が目立ちます。南北に長い県ですから、幾分、気候的な影響や基盤産業の違いからくる社会との接し方にも違いがあると思います。地理的にも、都であるとか天下の台所から一歩退いた国柄でもありますし、しっかりした考えを持ち、じっくりと活躍するタイプが似合うのかもしれません。
とりわけスポーツに長けている人が育ちやすい土壌でもないのでしょうけれども、駅伝の選手たちが次々とゴールをするときに、倒れかかって動けなくなってしまう選手は無理ですが、その他の選手は自分が駆けて来た道に深々と礼をしている姿が美しかった。
伊勢や熊野という地を控え、人々は、信ずるものに礼をするという文化に支えられてきた県民性もあります。「美(うま)し国」とは、まことに素晴らしい言葉だなと感動しております。
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