静かさや泣いて笑って大晦日
夜が明ける前に眼が覚めた。何となく静かな気がするのだ。大晦日というだけでそう感じてしまう。
新聞屋さんの配達のバイクの音が少し早かったか。年を送る準備が万端なのを表しているのだろう。
泣いて笑って、と思い浮かべた。
人は泣かねばならないし、笑わねばならない。
そして、そういうことは決してひとりでは行わない、命令も受けない。
毎年、同じようなことをこの時期に思い、反省している。去年の日記を繰り一昨年の日記、さらにと繰り続けると自分というモノが少なからず見えてくる。
そしてそこには、必ず喜怒哀楽がある。
「起死回生」と書いた年があった。
ある年は、「失意泰然」
またある年は、「倜儻不羈」
と書いている。
去年のきょうは、「おおきに」とした。
初心忘るべからず。
世阿弥の言葉だ。
「忘却を恐れない…」
これは私の大学時代の日記ノートの表紙タイトルだ。
忘れるという字を見つめていると、新しいモノが次々と見えてくる。
ほら。
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みなさん、今年もおおきに、ありがとう。
ご挨拶にいけていませんが、足跡に代えて共に一年を感謝したいと思います。
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