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2009年3月11日 (水曜日)

生きる 〔2002年12月下旬号〕

生きる 〔2002年12月下旬号〕

 

▼ 昨日のことだが、メモリアルホールの前を通りかかった時に、いつもより多くの花輪があがっていたの見つけてうちのんが「葬式が多いなあ、今ごろに…」と言った。歳の瀬に見送る人も大変だが、死んでしまう人はもっと大変だったに違いない。

 

▼死んでゆく人が自ら「死んでしまいたい」と叫ぶのを幇助する以前に、何故その人が死にたがっているのかを考えねばならない。受験に打ち勝てない。友達にいじめられている。仕事が苦しい。病気が重く、痛みも激しい。老体で動くことが辛い。どれをとってもご本人ではどうしようも不可能で、限界を感じているからこそ出てくる言葉である。

 

▼人は、そのような、あらゆる問題さえ解決できれば、もっともっと生き永らえたいと思っているに違いない。「生きる者の記録」を連載していた佐藤健・毎日新聞専門編集委員(60)は28日、食道がんのため死去した。毎日新聞のHPはこう書き出している。

 

▼私たちは何のためにこの世に生まれたのかを考え追いつづけ、この大きな目標に向かい、何を成してこの世を去れば良いのか。人生をまっとうしたと言えるのか。記者は何を伝えたかったのか。

 

▼2001年夏。私の大腸にポリープが見つかった。その宣告を受けたときは冷静であったが、数時間のうちに湧き上がってきたものは、「生きる」という激高に似たものだった。死の準備として言い伝えておかねばならないことなどを整理しながら、如何にして「生きるか」ということであった。幸いに良性のポリープであったので事なきを得たが、ひとつの教訓がそこにあった。

 

▼歳の瀬に、佐藤記者の記事を読み、自分が死に直面した一時期を思い起こしてみる。ボケっとテンションを伸ばし切って、現実に甘えて生きていないか。崖っぷちだと常に思え!引き締めろ。毎日、遺書を書いている覚悟で挑んでゆこう。仕事にも、余暇にも。改めてそう自戒している。 〔12月30日朝〕

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