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2009年3月11日 (水曜日)

木枯らし 〔2002年11月上旬号〕

木枯らし 〔2002年11月上旬号〕

▼ 窓からの景色がすっかり秋のそれになった。

▼セイタカアワダチソウが堤防の内側の荒地に群生している。しかしそれももはや枯れそうなほどに色あせている。

▼11月上旬だというのに師走の寒さが襲いかかってきた。先日、あれほど心に染み入るような青さを見せた海が、今日は鉛色に変わってしまって、河口の向こうに広がるのは、飛び込めば一瞬のうちにして命を奪われてしまいそうな重苦しい色の海だ。

▼風がツンと肌に染み入る。そう思いたくないけど、まさしくこれは冬の寒さだ。木枯らしが吹くこんな景色を見ているのは、ガラス越しが一番心地よい。何も考えずに、何を目で追うわけでもなく、河から海へと水が流れてゆく道筋を辿っているだけである。

▼木枯らしの一日吹いておりにけり 岩田涼兎▼背中に日差しを浴びて手紙でも書いてみるか。

▼前略、皆様。少し生活も落ち着きました。稼ぎは微々たるものですが、翻訳依頼のメールも忘れたころに飛び込んできます。まだそれをモノにすることができませんが、何とか自称翻訳家と言えるように頑張らねばと思っております。ひと月に数千円の収入です。

▼アルバイトのほうは、冬が終わるまでで、3月になったら契約が切れます。とりあえず、コンピュータを触ってお給料をいただく仕事をさせてもらっています。永年、会社勤めをしてきた身柄ですから、ある意味ではこういうところで日々を送るのが良いような気もします。しかし、失業中に様々なことを考え、自分なりに「生きる道理」を考えてみましたので、もう少し意地を通してみたいとも思っていますが。どうやら、私はまだまだ夢を追いかけるしか能がないようですね。

▼おっと、お昼休みがそろそろ終わります。「佐藤君の車の屋根に真っ黒の猫が乗って昼寝をしてるぞ」と誰かが窓際で言っています。ガラス越しの猫はさぞかし優雅なように見えますが、ヤツだって寝てばかりだったら餌にはありつけませんから、何か獲物を捕まえる策でも考えているのでしょうね。

▼お天気は下り坂です。二三日前から比べると少し寒さが和らぎました。今日は立冬だそうです。朝の寒さはまだまだこれからだと思うと、冬の到来に少し尻込みをしています。

▼風邪など召しませぬように。〔11月7日〕

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