如月
◆◆ 巻頭言
▽ 2月になりました。
▽ 寒さが募るために着物を更に重ねて着ることから、昔の人々はこの月を如月と呼んでいたそうで、覚悟を決めてこの季節を迎え身を引き締めていたことが伺えます。
▽ その一方で、泣いても笑ってもやってくる春は、もうまもなくということで、待ち侘びる気持ちから、気候が陽気になる時期を「気」が「更」に「来」ると当てて「気更来」とするという説もあるようです。
▽ 春は名のみの風の寒さよ、と歌われるように立春を過ぎてもまだなお朝夕の寒さは厳しく、夜明けが幾分早くなったとはいえ、新聞配達のバイクが暗がりの住宅街を走ってゆく音には頭が下がります。
▽ 特に今年は例年ほど氷や雪に悩まされることなく、伊勢平野は暖かかったように感じられありがたいのですが、その一方で大根のハサ掛けには寒風が良く似合うなとも思います。
▽ 節分が過ぎて、立春も終わって、もう少し、名のみの春とお付き合いください。
せんべいの紙たべてゐる子鹿かな 長谷川櫂
▽ この次にメルマガを書くときは、奈良・東大寺のお水取りも始まっていることでしょう。
◆◆ あとがき
▽ 「氷が融けたら何になる?」と尋ねたら「水になる」答えた人に、「いいえ、春になります」と応じたなぞなぞ問答のような話がありましたが、霜柱を踏みながら道草を食ってい行く子どもたちの姿や池の水面を覆いつくすような氷に出会うことがめっきりと減ってしまい、今どきの子どもたちはこんな話をしないかもしれませんね。
▽ 先日、「まちかどエコ」の取材で松阪市にあるベルファームを訪ねました。風が冷たい日でした。朝市を覗いてみましたら、真っ白に洗った嬉野大根がどっさりと積んでありました。土を落として出荷した農家の方々はさぞかし水が冷たかったことでしょう。この日は旬の食べ物をその時期に美味しくいただくということを見直す日になりました。
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