続・マツタケの話
前回のマツタケの話で私が本当に伝えたかったことは、日記に一行も引用せずにリンクだけを貼ったに留めたこともあってか、ほとんどの方はソチラまで読まなかったために、伝わらなかったと推測します。
これがネットワークの現実であると、私は冷静に捉えています。
(ある事柄へのアクションというのは、8割を有効として、それを大雑把に分類すると2種類に色分けできると考えていい。そしてその2つのどちらもが誤ってはいないと考えても良い。つまり、清田さんの話を読まなかった人は、それで間違いではなかったし、責めるものでもないと思います。ただし、私は用意したもうひとつの答えのほうで話を進めます。レスは書きませんでしたが、ご勘弁を)
そこで、折角だからもう少し触れます。
清田さんの二つの考察のうちのひとつは次のようなものでした。
■松茸は生きた松に共存共生する。
昔から
人は松葉を集めて燃料にしていた
→松林の地表にあった松の落葉は消費されて無くなってゆくものだった。
→落ち葉が無くなると、堆積した落葉がマツの栄養分としてなりにくくなる。
→また、堆積した落葉が雨水を保水することができにくい。
したがって、栄養や水分確保ができないと、枯れてしまう危険が出てくる。
■そこで、松は、考えた。
→自らが生きていくに十分に栄養や水分を吸収するぞ。
→細根を一生懸命張り巡らそう。
(ちょっと、植物学講座)
松茸は、張り巡らされた松の木の根っこ・細根にくっついて生きている。
■松葉を集めなくなった松の木の周辺は…
豊かな落葉で満たされています。
・松にとって十分な栄養と水分が確保できる自然環境ができた。
・楽して栄養や水分が取れれば、わざわざ細根を出さなくても良い。
したがって、松茸が生きてゆくところが少なくなったということです
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現代社会でも、全く同じ現象が起こっていると私は考えています。
「豊かな暮らし」が実現できて、本質を見失い、原点を忘れてゆく。
(↑は、既に記述済み)
地球温暖化に見られる気候の変動についても、生物多様性における数々の問題についても、人々の豊かさボケと個人的には断言してよいと考えています。
私が特集記事で解説した諸問題についても
(平成18年の夏・秋。冬。平成19年の春・夏号です)
はっきりと、何が悪いとか、こうするべきだということを書くわけには行かないので触れていませんが、物事には流れというものがあって遡ってゆけば原因は必ずある。
都市型の集中豪雨についても、もう30年ほど昔からヒートアイランド現象の指摘はあったわけで、しかしながら、環境変化に及ぼす影響を都市計画の学者たちは全く無視し、工学技術者たちは人々の見せ掛け上の快適さを表す数値の向上のみをその成果として掲げてきた、ということに大きく反省すべき点がある。
ポリシーを失った科学技術の暴走。哲学のないテクノロジー。裸の王様的技術進化。悦楽、愉楽に浸りきり麻薬の犯された家畜のように情報機器に溺れるヒト。
まあ、もちろん技術進化の片腕を担ってきた面が私にもあるのだが、そうならざるを得なかった社会の責任は大きい。
例えば、老後の医療、僻地の医療に、市場原理や経済理論を適用して、儲からないから病院撤退、という論理式が存在してよいのか。
ヒトは、行政組織ができるよりも先にこの地に住み始めたわけだし、ひとりの人間の命が利益の有無でその行方を左右されても困る。たった一人であっても守ってゆくのが国家の役割だと思うのだが。
これらのことは、医療を例にすると判り易いが、様々なところに存在する。最近であればガソリン高騰に起因する生活への影響なども挙げられる。
教育問題にも、同じような考えが適用できる。
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あなたが昨日の夕食で食べたものの中から、高額だったものを2つピックアップして排除し、それを社会で困っている人に還元することができるような気持ちを育てること、そういう仕組みを作ること。そこまでしなければ、今の廃れた社会は元には戻らない。
(家庭に持っている耐久消費財、半耐久消費財にも同じようなことを当てはめてみるのもいいかも)
エコバック(レジ袋撲滅)、マイ箸なんていう子どもの遊びみたいなことで喜んでいる時代は一刻も早く終わるべきです。
本質的なところの改革にどうやって踏み出すのか。
松茸は、やがて、本州では収穫できなくなるでしょう。
枯れ果てた心が残ることになります。
福田総理辞任の挨拶で環境問題への失策のお詫びが一言も無かったわけだし、もう、勝手にしてくれと言いたい。
誰か、行政力、という本を書いてくれ!
と誰かいえば、儲かる本がゾロゾロ出るだろうな。
やっぱし、アカンわな。
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