立夏も過ぎて
先日、電車で出勤をする機会がありました。最寄の駅で降りた後は車で数キロ先の鈴鹿山麓の環境学習情報センターまでくねくねの山道を上ってゆきます。その途中で蓮華畑を見つけました。蓮華畑が一面に広がるのを眺めていると、子どものころにふかふかの蓮華畑で転げまわったり駆け回ったりしたことを思い出しました。
伊勢平野の農地では、蓮華畑と水田が隣り合わせで、これに混じって麦畑が広がっているところがたくさんあります。まるで、子どもが描いたお絵かきの作品のようにのようにふぞろいのまだら模様を成しています。
緑の麦畑に近づいてみると穂が出ているのに気づきます。このメルマガがお手元に届くころには、立夏も過ぎていることでしょう。そして、あとひと月もすれば黄金色の穂が初夏の風に波打ち、緑が麦から稲へと入れ替わってしまいます。
時々刻々と季節が変わっていっても、風は緑のうえを静かに吹いていることでしょう。
*
大型連休もあっという間に過ぎてゆきます。このメルマガを書いているのはまさに連休の真っ最中です。センターへの道のりにある四日市・水沢地区のお茶畑では新芽が吹き出しています。芽吹くという表現の持つ逞しさが、陽光に生き生きと輝く緑にぴったしでした。
こいのぼりが風になびいています。
甍の波と雲の波
重なる波の中空を
橘薫る朝風に
高く泳ぐやこいのぼり
と歌われたように、鈴鹿山系をバックに気持ちよく泳いでいます。春の空は、秋に比べて幾分霞のかかったような趣があるものの、風に混じってどこからともなく届く花の香りもあいまって、うららかな陽気となりました。
憲法記念日に少し野山を散策してみました。山菜摘みに来ている人たちをたくさん見かけます。昔ある人に、タラの芽を採りに案内してもらったことがありました。「採りすぎたらアカンのや。食べるだけずつ採ったら十分なんや」と教えてくれました。
近頃は根こそぎ採って木を枯らしてしまうケースもあります。自然や山の恵みを戴くのですから、来年にやってくる人のために…ということで、ゆとりを持って散策したいものです。
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