ぼたん雪キラキラ輝く片思い
アイツは僕の心なんか、これっぽっちもわかってやしない。
夕方から降り出した雪を窓越しに眺めながら食事をして他愛ない話をして別れの時刻を迎えたんだ。
雪はすっかりぼたん雪になって、積もる気配もそれほどなかった。
楽しい時間をありがとう。二人は月並みなさようならを言い合って別れたんだ。
あくる朝は思いもかけない積雪だった。電車に飛び乗って、ああ、昨日の夜のうちに「今夜はありがとう」ってメールを入れなかったことを悔やんだ。好きなくせに意地を張ってしまったんだ。
電車が幾つも市街を通り過ぎる。アイツの家もこの白い雪に埋もれた、小さな白い屋根の家なんだろうな。
おい、もう一度、飯を食いに行こうぜ。
なんて…言えないな。
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