蝉時雨
九州、四国地方から梅雨明けのニュースが届いてきます。このメルマガがみなさまのお手元に届くころには、わが地方も梅雨が明け、ギラギラと太陽が照りつく本格的な夏の日差しが戻っていることでしょう。
山一つ動かしそうな蝉時雨 (喜多嶋靜子・四日市市)
「俳句のくに・三重」でこんな入選句を見つけました。大きなスケールで自然を見つめているいい句ですね。
(ちなみに今年は「木の一句」を募集してます。)
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オススメ本というか、面白そうな本があります。平田剛士著「そしてウンコは空のかなたへ」。愉快なタイトルですね。「買ってはいけない」でお馴染みの金曜日発行です。廃棄物が私たちの手を離れたあと、いったいどのように処理されてゆくのだろうか。そんなことを追いかけています。(詳しくは筆者もこれから読みます。)
熊谷達也著「邂逅の森」と「相剋の森」を読みました。
前者は、東北地方でマタギとして生きた青年の人生を描きます。自然と共に、熊と共に生きてゆくひとりの青年の物語です。直木賞。後者は、ツキノワグマの棲む森の自然と共に生きている人間たち、そして主人公の女性ライターが、自然とはいったい何なのか、保護をするとは、共生とは何かを考え続けます。ちょっとイデオロギーな話あり、ドラマありといった素晴らしい作品です。
「邂逅の森」は大正時代、「相剋の森」は現代を舞台に、環境問題や自然保護、狩猟という文化と対峙する様々な人々の視点を踏まえ、私たちが直面する環境保護という素材を取り上げた凄みのある小説です。どちらも小説ですが、自然と調和して生きるには大いなる畏敬がそこにあることを暗示している秀作です。(こちらの2冊は図書コーナーにはありません。)
ナツイチ。まだお決めでない方にオススメします。
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