銀マド>黄色い麦わら帽子
銀のマドラー〔回想篇〕
╋ ╋ ╋ ╋ ╋
あれは いつのことだったのか
小麦色の肌の
クラスメイトの女の子と
バスの乗り場で手を振って別れた
夏休みが終わるころ
教室の席がとなりの彼女に
電話を入れた
遊びに行っていいかい?
電車とバスを乗り継いで
灯台のある
小さな漁村に私は着いた
バスの停留所で迎えた彼女は
黄色い麦わら帽子だった
強烈な印象
16才の夏
バス停から灯台まで歩いた
真っ青な海と水平線を見おろした
町の一点を指さし
--- 青い屋根が見えるでしょあれが私の家よ
と教えてくれた
真夏の日差しを気にせずに
小さな漁村の狭い路地を
歩き回った帰りに
バス停まで見送ってくれた
それから数年して
彼女に手紙を書いた
名古屋の或る銀行に
彼女は勤めているという
涙が出るほど嬉しかったです
と書いた返事をくれた
東京の下宿に戻る時に
駅で待ち合わせた
でも 彼女は来なかった
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別れの風景>夏の終り(黄色い麦わら帽子)
99/09/15 22:04
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