宮下奈都「ふたつのしるし」絲山秋子「離陸」柴崎友香「春の庭」の三冊が棚積みのなかで目立ったので、とりあえず書店員さんのセンスを信じて三冊の中から絲山秋子を選んだ。
裏切りも失望もなく読み終えたのだが、残してきた二冊に後ろ髪を引かれるようだったので、柴崎友香を買って読むことにした。
宮下さんは慌てなくてもええような気がした。
春の庭は芥川賞作品なのでちょっと期待も大きい。
読み始めた時に私の芥川賞読破履歴をきちんと調べず、とにかくワクワクで期待も大きい。
読後に調べて見たら、宮本輝の螢川と絲山秋子の沖で待つ、さらに、村上龍の限りなく透明に近いブルー、朝吹 真理子のきことわを読んだくらいに過ぎない。
芥川賞の読書経験はほとんどなかったことになる。
学生時代に登場した村上龍という作家のなんともシャレたタイトルの限りなく透明に近いブルーの読後印象がイコール芥川賞だったのかもしれない。
それで今回久しぶりに、最近の受賞作品を。
なるほど、これが芥川賞か。
時代の変遷で賞の色合いが変わってきたのか。
昔から一貫した方針だったのか。
なんとも言えない。
美味しいと評判のレストランを紹介されて喜んで店に行き特別料理を食べたら、近所の商店街の人気店の方が旨かった・・・みたいなかんじ。
芥川賞はしばらく無関心でいることにする。

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というような感想を書いてからも
この本を持ち歩いて列車の中で読み続けた
無機質な感触でありながら
作者のもつ味が随所に出ているのかもとも思えてくる
タイトル作品(受賞作品)よりも
巻末の書き下ろしの方が
深みがあっていいのではないか