関野 吉晴 グレートジャーニー―地球を這う (2)
筑摩書房 2005
関野 吉晴

出るっていいながら出なかったので、待ちました。
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以前、関野吉晴著 「グレートジャーニー ─ 地球を這う」という本を紹介したことがあります。

 約400~500万年前にアフリカのタンザニア・ラエトリに人類は誕生します。その人類が、百数十万年前にアフリカを飛び出し、ユーラシア大陸を横断しベーリング海峡を渡り極北の地を越え、北米を経て、ついには南米大陸最南端のパタゴニアへと到達する。

 東アフリカから南米大陸に至る5万キロに及ぶ大遠征の壮大でロマンに満ちた道のりを、関野吉晴さんは逆ルートで辿ります。まさに、グレートジャーニーと呼ぶに相応しい感動的な旅です。

 シベリアのコルフという町にやってきて、食料・雑貨店でインスタントラーメンやスナックを買って宿で食べたとき、
「みるみるうちにごみが出てくるので驚く。日本では当たり前のことなのだが、トナカイ遊牧民のキャンプから帰った直後だったために、強い印象を受けたのだ。」
 「遊牧民のキャンプではほとんどごみが出ない。トナカイは余すところなく食べる。野菜などの生ごみはトナカイや犬が食べてしまう。基本的に一番無駄な『包装する』ということがない。缶詰はほとんど食べない。」・・・と書いています

また、魚やカニなどは各家庭や親戚で分配するが、大きな鯨が獲れたときに、
「分配という行動は、高等なサルのあいだでも見られない人間特有のものだ。」「ここシベリアでも、狩猟民の間では分配がごく普通に行われていた。」「この人間を人間たらしめている行動様式は、われわれの社会ではいつの間にか影を潜めた。いい車を持っている。立派な家に住んでいる。モノを独り占めする者が、社会的な地位を獲得するようになっているように思う」…とも書いています。

素朴でありながら、冷静な分析ですね。いかがでしょうか。