ピエロの歌(上・下)

このタイトルを読むたびに遠藤さんがピエロに扮しておどけている姿を想像してしまう。
そういうひょうきんな面が印象に強く残る。

小説は作り話なのだから実際にそんな話などがあるわけではないのだし、大体がそんな限られた人間だけで、しかもグッドタイミングで事件が次々と起こ るはずも無い。
冷めてみれば、所詮、遠藤さんの作り話で、読者はそれを愉しめばいいのだと言う人もある。わかっていながら遠藤さんの文庫に手を延ばす。
そういう人が多かったからでしょうか、講談社・遠藤周作文庫というのがあったのです。今は絶版かもしれません。興味のある人は古本屋でも探してみてくださ い。

私の手元にある「ピエロの歌」には1979年(S54 年) 6月12日 火曜日と裏表紙にメモがあります。古本屋さんが値段を鉛筆書きで書いていて「2冊で300円」と書かれてます。

詳細に記憶は無いですけど、
ハイライトが80円。セブンスターが100円。銭湯が95円。確かビール大瓶も95円ほどだったように思います。
東村山市から都内の江古田に引っ越し移り住んだ下宿屋は、夕飯の賄い付きの下宿代が2万5千円。洗面所は共同で当然風呂なしの裸電球の4畳半で、カギなし の戸板で廊下と仕切られた部屋でした。(仕送りは5万円だった。)
北側に小さな窓があり、机に座ってその窓を開けると道路を隔てた南国屋さんという食堂の2階が真正面で、そこに下宿している女性の部屋が丸見えでした。彼 女は名前も知らないけど、私のことなどは気に留めないでお気楽に下着で部屋を歩き回るし、窓には平気で下着を干すし、二十歳そこそこの学生にとっては結構 刺激が強かったけどドラマのような毎日でした。

ストーリーは申し訳ないですが全然憶えていません。

「滑稽でチョッピリ哀しい若きピエロたちの青春小説」(上)、
「思いもよらぬ都会の密室を利用した謀事が巻き起こす、若い男女のロマンに満ち満ちた恋と革命の青春小説」(下)
とブックカバーに裏に書いてある。

私も青春時代だった。
| 2005-05-26 17:19 | 読書系セレクション |