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鶴さん・秘伝

2017年8月 6日 (日曜日)

鶴さん そのつづき(4)*

8月10日 札幌から積丹半島へ

何をどう思ったのか積丹半島に向かう

今となっては、理由や当時の気持ちは思い出せない

秘境的イメージを地図から感じ取っていたのかもしれない

汽車が行き止まりであったからかもしれない

綺麗そうな海を想像したのか

灯台のある静かな漁村を瞼に絵描いたのか

行けるところまで行ってみようと考えたのだろう

このころは野宿をする発想もなければ技も道具もない

駅で寝るなども考えない

どうにかなるさ的な呑気さもない

冒険心のようなものはあったとしても

勇気はない

根拠も

自信もない

そんな頼りない奴がよく一人旅をやれるものだ

この時代がのんびりしていたのだ

人々がゆっくり生きている

安全で信頼できる人たちがあふれている

みんなが支え合っていたのだろう

みんながお隣をお節介ではない目で眺めていたのだろう

バスで行き止まりまでいった

この道の向こうには何があるのだろう

どんな景色があるのだろう

ただそれだけだった

半島で写真を撮ってもらって

帰って来て北海道中央バスのバス停の売店でくつろいだ

バイトの女の子と話した

メガネをかけた可愛い子だった

それが鶴さんとの出会いだった

帰りのバスが行ってしまっても話がしたかった

そんな衝動はこれまでにはなかったのだ

バスが行きますよと言われて

ヒッチハイクという手を思いついた

人生があの時に変わった

ひとつの選択が違っていたら

全く違った人生であっただろう

8月13日 改訂・追記

2017年8月 4日 (金曜日)

鶴さん そのつづき(3)

🍀無鉄砲が続く

8月6日から有珠山が噴火の兆候を見せ始めていた。ちょうど8日の夜に青函連絡船で函館へと渡る人混みの中で有珠山に駆けつけるマスコミか学者の人の何名かの話が耳に飛び込んできた。

それを聞いてぼくもその火山に行ってみたくなる。だから、9日の朝、札幌駅に降り立ってすぐに躊躇わずにまた急行に乗って有珠山のある道南の方面へと引き返したのだった。

無計画というものは恐ろしいことであり無駄が多いのであるが、そんなことは御構い無しにスリリングな旅が始まっていた。有珠山に近づくに従い入山禁止情報がわかってくる。火の山を見たいという興味本位で向かっているぼくに入山の許可は出ないだろう、第一に近づくのは危ないだろうという思いが湧いて来ると、あっさりと札幌に引き返してきたのだった。これも、不安と期待の入り混じった心理の起こす行動なのかと思う。

というわけで、9日は何の収穫もなく、札幌に戻ってきてしまった。

さてどこに泊まろうかという心配が俄かに湧いて来る。

旅の途中で話をする旅人たちはみんな似た者同士だった。彼ら彼女たちの情報を統合すると、大学の学生寮がタダで泊めてくれるところがあるらしいとわかり、北大寮を探して行ってみることにする。

そしてそこで頼んでみるとあっけなくどうぞということになった。泊めてもらえるらしい。誰もいない寮のなかの長い廊下を案内されて、とてつもなく汚い布団が敷いてあるベットを指してどうぞと案内された。

夜行できたぼくはそのあとすぐに深い眠りに落ちてしまい朝までぐっすり眠ることになり、寮がどんなものだったのかさえゆっくり見ないまま礼を言って出てきしまった。

後になって判明したのが、その寮の名前は「恵迪寮」という。

色んな意味で有名な寮であったらしいこともあとからわかった。

2017年8月 3日 (木曜日)

鶴さん そのつづき(2)

🍀物語は衝動的にはじまる

旅に憧れを抱いたり、ひとり旅を夢見ていたわけではない。

二三日前に街に出たときにふらっと立ち寄った本屋で北海道の旅本を手にとったのがはじまりだった。

衝動的というより他に言いようのない思いつきだった。

電車の乗れば北海道まで行けるだろう程度に考えたのだろう。

時刻表を買い周遊券のことを知って、母に北海道へ旅に出ると話したのは出発の直前だった。

母もそれを止めようとはしなかった。

旅費を用意してくれたし、ぼくはドタバタとリュックやズック靴を買いに走り回ったりした。

8月7日夜の急行・北国に京都駅で跳び乗るというのも、旅に出ると決まったあとには一直線で筋書きに組み込まれてゆく。

2017年8月 2日 (水曜日)

鶴さん そのつづき (はじまり)

図書館の窓際の机から庭の景色を見ている

カラスがちょんちょんと木陰を跳びはねている

むかし居酒屋で鶴さんという人との他愛のない話を掘り起こして語ったことがあった

それを「鶴さん」という物語風の作品にまとめている

http://wp.me/P6fXhf-wj

ふっと

鶴さん そのつづき

みたいなのを書いてみようかなと思い始めている

(追憶) 居酒屋・鶴さん

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