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2020年4月12日 (日曜日)

遠藤周作 深い河

またまた

読んでいるのですよ

終盤の箇所で思わず付箋を貼って書き出したところがあって
この世の中に同様の感動を日記に書いている人がいないものかと検索窓に一節を入れてみたら

出てくるんです
出版社の紹介にも引用しているから
まんざらピンボケなところに線を引いたわけでもなさそうや


(感動箇所)

1人ぽっちになった今、磯辺は生活と人生とが根本的に違うことがやっとわかってきた。そして自分には生活のために交わった他人は多かったが、人生のなかで本当にふれあった人間はたった2人 母親と妻しかいなかったことを認めざるをえなかった。「お前」と彼はふたたび河に呼びかけた。「どこ行った」河は彼の叫びを受けとめたまま黙々と流れていく。だがその銀色の沈黙には、ある力があった。河は今日まであまたの人間の死を包みながら、それを次の世に運んだように 川原の岩に腰かけた男の人生の声も運んでいった。


深い河

あなたの心の中にいる神に恥ずかしいと思わないならば、すなわちあなたの心がまことなのだ。自信を持って生きなさい。そう語りかけているような気がしま す。

信仰とはなんですか。
敬虔な心で善にあるいは悪に直面したときに、アナタはどんな行動をしますか。
長い年月をかけてそういうところに達してゆくわけですが、その過程には遠藤さん自身の加齢も影響してると思います。後半にユーモア小説系の作品が少なかっ たのは、人気のせいで忙しかったこともあるものの、じっくりとこの「深い河」を導き出すための心の準備をしていたのかもしれない。

深い河。遠藤さんは、この「深い」という途轍もなく重い形容詞を、最後の物語に使ったのは、決して偶然でないのでしょう。そんな気がしますけど。ど うなんでしょうか、遠藤さん。

先にもあげた「ユーモア小説集」(1~3集)を読まずして遠藤を知ったと言うなかれ。
「わたしが・棄てた・女」の読感をいっぱしに書かずして遠藤を語るなかれ。

そう遠藤ふうの口調で言い続けている私ですが、遠藤さんは、ひとりの人間がどんな生き方をして、何を考えて、何で悩んでいるのかを上手に飾り付け て、私たちの人生に重なり合わせて、これでもかというほどの作品をぶつけてくれました。重い作品やユーモアなものを交えて。。。

すべての作品について感想を書く機会があったら書いてみたいですが、いったんはこの辺で終わって、他の人も振り返ってみようかな、と思っています。

そうそう、「棄てる」という言葉は、「紙くずを籠に棄てる」というように使うんです。「捨てる」とは違って「棄てる」と書いたその深い意味をどれだ けの人が知ってるのでしょうか。最近のメッセージを書きながら、どうしても絞りきれないオススメ本・二冊には、「わたしが・棄てた・女」と「深い河」がい いかな、と思い始めたのでした、私。
| 2005-06-06 20:00 | 読書系セレクション |


深い河 (再)

「深い河」を再読し始めて、何日も過ぎます。通勤の車の信号待ちや居間での短いくつろぎ(あるいはトイレだったり・・・)に少しずつ読んでます。

「わたくし・・・・必ず・・・・生まれかわるから、この世界の何処かに。探して・・・・わたくしを見つけて・・・・約束よ、約束よ」

そんな台詞を盛り込む一方で、
「人生は自分の意思ではなく、眼にはみえぬ何かの力で動かされているような気さえする」
などと書いている。

このような方法は宮本輝の小説でも盛んに見られまして、ひとつの人生哲理を代弁してもらっているような共感とその快感を私たちは味わえますね。

ここでも居ました。

・「ガストン」というドン臭い外人さん。
・要領よく生きてゆくことのできない弱い人
・知的で且つ現代的で、冷たそうな面と深い人間味を備えたスゴイ美人そうな女性(私が男だからそう思うのかな)
・哀しい眼差しの犬

そういう人たちが、いかにもありそうなドラマの中で絡み合って、私たち読者の性善説なる心を刺激しますね。

生きてるころの遠藤さんの話し振りをよく知っているだけに、台詞のひとつひとつが真顔の遠藤から発せらているように思えて(ジョークも同様です が・・・)なりません。

「テレーズ・デスケルウ」への強い思い、その後、「イエスの生涯」「海と毒薬」「沈黙」を経て、さらにユーモア小説集や中間小説で構想を磨き上げ、 遠藤さんは「深い河」へと辿り着いたのでしょう。若いころの遠藤から加齢とともに確実に成長してきたあとのひとつの提示であるような気がします。遠藤が普 段から冗談のように茶化して語っていたその本意も含めてすべてが盛り込まれているような気がします。
(まだ300ページあたりなんですけど、ね)

| 2005-07-03 12:52 | 読書系セレクション |


深い河2005年07月05日 のメモから

今、遠藤周作の深い河を読み終えたところです。9年前に読んだときとはまったく違う気持ちで読みました。私も遠藤の年齢に近づいてから読んだという ことで、感じるモノも随分と変わってきました。

終わり間際での美津子のセリフ。

「本当に馬鹿よ。あんな玉ねぎのために一生を棒にふって。あなたが玉ねぎの真似をしたからって、この憎しみとエゴイズムしかない世のなかが変わる筈 はないじゃないの。あなたはあっちこっちで追い出され、揚句の果て、首を折って、死人の担架で運ばれて。あなたは結局は無力だったじゃないの」

私はこの無力という言葉に果てしないチカラを感じるのですが。

---
※深い河、で検索してもらうと関連が幾つかあります。
| 2008-05-14 17:41 | 読書系セレクション |

 

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