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2017年12月14日 (木曜日)

カズオ・イシグロと記憶 2017年12月13日(天声人語)

 「人間はね、ただ嘘(うそ)をつくんじゃないんです。何かを隠しながらつくんです。そして事実を直視しないようにする」。英国の作家カズオ・イシグロさんがかつて語っていた。つらい過去と向き合うのがいかに難しいか。彼の多くの作品に流れるテーマであろう▼『日の名残(なご)り』は英国の執事が一人称で語る小説だ。彼が仕えた貴族は、第2次世界大戦が終わると非難の的となる。いわくナチに通じていた、反ユダヤ主義者だった……執事はつぶやく。非難はとんでもないでたらめで、的外れだと▼しかし同時に彼の記憶から紡がれるのは、非難に十分な根拠があるということだ。事実を認識しながら、虚偽の解釈を試みる。誰にでもありうる心の働きかもしれない
(後述略)

(天声人語)カズオ・イシグロと記憶 2017年12月13日


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