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2016年10月30日 (日曜日)

石原慎太郎 天才 (感想)

BOOKs から

石原慎太郎 天才


石原慎太郎という人は、政治姿勢や手法において、タカ派色が強いとか言われ、確かに大雑把に考えて好きにはなれないところがありますが、思想で人を嫌うよりもきちんと話を聞いて同意ができるかどうかを論じるのが本当でしょう。ただ、発言がさっぱりとしているし、歯に衣着せぬところがありますから、腹が立つ人もあれば好きだと言う人もありましょう。

しかし、今の時代は、彼でないと遂行できないことがたくさんあるし。おとぼけ国民をぐいぐいと引張っていくためには不可欠な人物でもあるわけで、世の中を改革したり新しく構築していくときには綺麗ごとだけでは済まされず、この人のように、神がかり的な技と力が必要なんだということでしょう。

だから、思想的には幾つもの反発点がありながらも、別の面で褒めてやりたいこともたくさんあって、嫌いだからと言ってぶっ殺すわけにもいかないでしょう。

小説家としては好きですし贔屓にしているし、読むしかないわけです。

田中角栄という人はまさに天才です。
これほど上手な作品タイトルをつけられる人は石原慎太郎以外にはいないでしょう。
だから、石原慎太郎も天才です。

惚れ惚れするような人物だったのでしょう。
政治家として正しかったかは賛否があろうかと思いますが、田中角栄という人がいなかったら、日本はもしかしたら滅茶苦茶だったかもしれない。

行政組織のやっている仕事を高みの見物的に眺めてみて切実に感じるのは、政治家が敏腕を振るわずそれなりに事を済ませても、役所の担当者(役人)が卒なく仕事を済ませて行けば社会は上等に循環します。(少なくとも市民は欺けます)

そういう点では、あまり目立たなず失敗もしない政治家や行政人が優秀と言えて、ほんま、切実にそういう愚かな側面が厳然と存在します。

しかし、田中角栄はそれでは済まされないのだという意思があったのです。
失敗したら、大変だから、適当な政治家で終わっておこうとは考えなかった。

あの人には希望があって、夢があったし、さらには使命を持っていたのだと思います。
人物の器とはそういうものだろうと思います。

旅をしていた頃に新潟県へと隣接県から峠を越える瞬間のあの驚きはとても忘れることなどできない。

世の中のために全力を尽くすには、自分自身の土台となるものをしっかりと掴むことが条件の1つです。これは不可欠な条件で、潜在的な力として毅然と存在していますし、その先には全ての人々を幸せにしてやることが必要だったのです。

そこに来て天性の敏腕があって先見性があって、人材を操作する術を持っていた。
金権が追求されますが、それはそれで、人間として強欲な点がそれほど前面には出て来ず、ある種の必然性のようなもので肯定している。
小説として自由さがありますから。

でも、(反発しながら)あらゆる個性を石原慎太郎は好いているのですから、アメリカに陥れられた(仕返しされたみたいなもんですが)汚職事件の被告人への道筋を、公然とハメられたから可哀想だとは書かないけど、でもやってきた政治の足跡はこの人物でしかできなかったと認めている。

石原慎太郎がどのような思想の持ち主でどんな色の政治家なのかは公然の事実で、ある意味では田中角栄よりもざっくばらんです。
小説家であり政治家であるのだからそれほどな悪人色を出すわけにもいかないけど、結構似ているところがあるのでしょう。
一方で各論的にはイデオロギーとしてもある種の対立を持っていたのかもしれませんが、この小説は政治の話がしたいのではなく、人物の話をさらりと描きたいと考えたはず。(ロッキードに関わることで結構ページを占めてましたが)

しかし、似た者同士は反発するから口では嫌いだと言いながらも心の中では違った形で尊敬をしていたのでしょう。
最初にも書いたけど、この作品のタイトルが「天才」であって、どこにも田中角栄という人の名前など出て来ないのです。

今では確かに現代社会に合うわけではなく、待ち望んでいるタイプでもないのでしょうが、読むほどに、ここに出てくる天才的な人物の人間味を切実に感じます。そんな作品でした。

もう一回、角栄さんがしゃべっているところを見たい。

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