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2016年4月 5日 (火曜日)

井上章一 京都ぎらい

この本はスッピンでは真っ白の装丁なのですが、本屋に売りに出ると綺麗な帯を付けてもらってある。ネットでは、目次やおよそのエキスを上手にPRして人を惹きつけている。いかにもこういうところが京都っぽいというような表現をすると、多少事情の分かる人であれば、京都の持つ文化社会や住む人の特徴じみたところを連想して頷いてくれるのかもしれない。

綺麗な帯にはこの「京都っぽい」と私たちが日頃から言う表現を「いやらしさ」と書いてちょっと注目してもらおうというのだろうか。ホンマにイヤラシイのだろうか。

いい話ばかりではないが、いいところもある。
一度住んでいてしばらく離れていてもまた住んでもええかもしれんと思うようなところである。
そんな街であり人々の集まりであるのだが、「いやらしさ」=「京都っぽさ」 があるのだ。 認める人は多いと思う。

何故オモロない本だったのか。(★1つの理由を考えている)

気の置けない同僚かあるいは後輩たちと一杯飲みに出かけて愚痴を言うでもなくゴキゲンに京都のあれこれについて喋っているとしよか。日頃から感じているような理屈であり、また理屈にならないようなこともダラダラと飲みながら喋っていて、悪口ともケナシとも取れるが、一種の伝統の尊敬ともとれるような話を、面白おかしく話していたところを聞き書きして写したような本…の印象です。だから(活字にして読むと)詰まらないのではないか。 最初の章でアホらしくなってきたから…。

「京都人」という表現をするところでとどめておき、あとは「あ・う・ん」で「京都人らしいなあ、京都っぽいなあ」といってあやふやにしておけばいいのに、「京都っぽく」なく踏み込んでしまって活字にしたから。

京都に住んでみれば京都らしさが人それぞの度合いや暮らしスタイルに応じてわかってくる。身に沁みて伝わってくるというべきだろうか。それをキライと思うか気に入るかは時と場合によるだろう。

一旦京都に住むと、何においても京都らしさという特徴を抽出してしまう。そしてそれを分析して京都らしさと見なしてしまう様になってくる。それも一種の京都っぽさなのかもしれない。

排他的で自尊心が高い。京都にはそれらに纏わられた非常に狭くて孤独で孤高な(一種の裸の王様的な)文化がある。平たく言えばそれを、わかりきったことなのに頷きながら読むと何ページかで疲れが出てくる。

この先生は膨大な知識をお持ちで、果てしなく広い視野で、研ぎ澄まされた経験と、それらを総括する洞察を日頃から常に頭においておられるので、それをちょいちょいと整理して庶民にわかりやすく書いていただいたのかも。

あまり深いところまできちんと調べあげて苦心して書いたのではなく、…と思う、…でないか、…ということは分からないが、などと少し(かなり)ええかげんにしている所も多い。

まじめに読んで卒論の参考文献にしようとか考えている人なら確実にこの本はパンフレットレベルであると気づくのだろうが、ベストセラーに釣られて読み始めた人はそうではないのかもしれない。

愚痴や悪口や不満を吐き出したくて思い切りおしゃべりしようと出掛けた飲み屋で、明日にはケロリと忘れているかもしれないようなことを友人と喋くりながら、頷き合い意気投合して、酔いしれて、サイナラしてきた時の話を本にしたみたいで、酒肴のようなノリを活字で読んでも詰まらないのかもしれない。

もしもこれが京大の大講堂での講演だったら、わたしは間違いなく拍手を惜しまないと思う。

忙しい人は、目次と各章のタイトルと、各段落の最初行と最後のマルのある行を読めばイイのではないか。

おそらく絶賛書評が出まわるだろうからそれを読めば、飲み屋でうだうだ話しをして美酒を味わうのに事欠かない程度の酒肴になるし、素晴らしいベストセラー本と言えるかな。こういう本こそ図書館に置くのがふさわしい。


井上章一 京都ぎらい読書日記

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