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2015年9月 5日 (土曜日)

北海道 ─ 花も嵐もⅢ その84

長~いバイク仲間のえみさんが八月の下旬にフェリーで北海道へ行ってしまった。FACEBOOKやInstagramで届いてくる景色や食べ物や野営の様子などを見ていると、バイクを降りてしまっている私であっても、グイグイと心を揺り動かされる。

砂埃を巻き上げながらオートバイで山道を駆け上がってゆく自分の姿が、今さら蘇ることはないのだろうと思うと少し寂しいのだけれど、あの時代の私だって、あの時代なりに一生懸命走り回ったのだから、それはそれでいいと思うことにしている。

懐かしいとか戻りたいとか再び駆けずり回りたいとか、もう一度冒険心を燃やしたいとか、そんなふうに思うことを「寂しい」というのだろう。しかし、「寂しい」のはそれ自体が「悲しい」ことではない。

今のように道具も地図も情報も充実していなかった時代であったからこそ私らしくあれたのだ。

自分の頭のなかに大きな構想として未知の大地を描き上げて、ルートを思案し、作戦を練ってチャレンジできたのだ。

お金がなかったし、十分にモノがあったわけでもない。それでも、快適でないとわかっていながら、必死で自分の夢に向かってぶつかていった。

寝ても覚めても無我夢中の精神があったからやれたのだろう。

便利なモノがあの時代の人々により実現化して、割と不自由なく満たされている今のツーリストたちとは違って、歓びや失望の凸凹レベルの差が烈しかった分おそらく驚喜になれるときの味が濃かったのではないだろうか。

えみさんの北海道は、もはや私の時代のツーリングステージではなく、今の時代のステージの上のものである。そう考えて楽しませていただいている。

だから、自分の昔を懐かしみ昔は良かった…みたいなことは思わない。

むしろ、あまりにも上手に満足のいく楽しい旅をしているので、もう一度生まれ変わって、30歳ほど若返って、チャレンジできるならやってみたいと夢見てしまう。

えみさんは、一生懸命に仕事をこなして、勝ち得た時間をフルに活用して、一分一秒も無駄にせず旅を充実させている。いつの時代だって若者は一直線だ。それが素敵で美しい。

私にはもうそんなふうに夢中に立ち向かってゆくような情熱も行動力もなくなった。

だから、多くのツーリストたちがみんな一生懸命に旅のために普段からがんばっているのを見ていると、ちょっと自分が情けなくなることも、正直いってありますけど…。

次のステージへと自分で決めたのだから、刺激を受けて新しいことを始めねばならないと、自分の心に鞭を打っている。

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