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2015年3月 6日 (金曜日)

金子兜太 他界

金子兜太 他界

金子兜太 他界

2015年2月20日 (金)


図書館で借りたのでさらりと読んでホイと返却してしまった。

読み終わったあと、しっかり書き留めなかったことをちょっと悔やんでいて、自選の句などがあったけど記憶から消えてさみしいと思っていた。
でも、それはそれでよかったのかもしれないとも今は思っている。

金子兜太さんがこの話を聞いたとしたらは、笑い飛ばされるかもしれない。そんな細かいことをあれこれという人ではないのだ。その句を思い出したければまた借りればいいと大らかに思っているに違いない。この本を読んでかなり金子兜太さんに近づけたような気持ちになっている。

読む前は「語る兜太」を詠んだだけで、少し身近になりつつあったけれど、やはり先生はどんなお人なのかは正体不明であった。何しろ、テレビに出てアナウンサー無視してちょっとエッチな話をしてみたり年齢を感じさせないオモシロイ(詰まらない)ギャグを言ってみたりするのだから。

だが、少し人柄に触れると、惹きつけるものを感じます。それは、長生きをしているという人の努力や能力の使い方を超えたところに在るようなパワーというよりももっとカリスマ的霊感のようなモノを感じる。自信や信念からくるものかもしれない。

お人柄も伝わってくる。明るいお方で真面目でカラリとしておられる。頭のなかでいろんなことが刺激的に回転していそうです。

そんな風にとても魅力的なものを感じて、本をさらに読み進めると、これが鈍臭いけど真面目で、知的なんだけど威張っていない、そして何だか大したことなさそうなんだけど……と思えてきて最後には、でもやっぱしスゴイ人なんだというところに達する。

色々とオモシロイ(興味深い)条件が整っているところも幸福で幸運な秘密なのかもしれない。

東大出でありながら出世をしていないってのが、変人でオモシロイのだ。私の知人・友人の東大出身者は、間違いなく転んでも頭がいいし、だいたい何をやっても失敗をしない事を考えてみても、先生はいろいろと控えめな書き方をしておられるものの、やっぱし先生でなければできないことだらけなのだ。本業の俳人にあっては、しっかりと歴史に名を刻んで、たくさんの人の心を動かしているんだから。

他界。これは、死んだあとの哲学的でもあるような信仰のお話だけではなく、他界という概念を通じて人生の刻一刻とどう向き合うのかというようなお話だと思う。

感動的なのは立禅。この言葉に出会ったときは、難しいことを想像したのだが、どうやら先生の創作語らしく、その説明が説教じみていないので読んでいると嬉しくなってくる。真似したくなった人も(真似した人も)きっとたくさんいたと思う。

戦争の体験の話、一茶のこと、周りの方々が先に逝ってしまわれることについて触れていること、そんな中で他界に移動したら再び82歳のときに死別した奥様にまた会えるということも書いておられる。

こちらまでブルブルとふるえるようなものを感じる。

何よりも、私は死ぬ気がしないんだなあ、とおっしゃる。この言葉には、金子兜太さんからしか飛んでこない力強さを感じる。ジジイ臭くないので驚いている。

(別の読後感想で追記)

毎週金曜日に、朝日新聞社で6千通ほどの俳句を現在も読んで選んでいる。
なんかしらわけのわからんような体操を毎日しているという。
普通の爺さんなら見向きもしないのだろうが
金子さんには不思議な力がある。

語る 兜太
に続いて、他界を読んだ。

生きているから他界が在る。
意味をしっかり受け止めて生きていかねばならない。
それは、生き抜くということかもしれない。

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