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2014年10月 4日 (土曜日)

永山則夫 死刑の基準 「永山裁判」が遺したもの

プロローグ
第一章 おいたちから事件まで
第二章 一審「死刑」
第三章 二審「無期懲役」
第四章 再び、「死刑」
第五章 「永山基準」とは何か
エピローグ

堀川惠子 永山則夫 死刑の基準

永山則夫は1997年8月1日に死刑を執行されている。事件の始末がこの日を持って終了したというわけではない。

2009年の8月裁判員裁判開始。
その時から実施されることになった裁判員制度を転機に変わってゆく刑事裁判というものや罪を犯した人を裁くということ、死刑というものが意味するもの、その必要性などを考察しようと作者は考えたのでしょう。

この作品は永山則夫という人が裁判で遺した足跡だけではなく、日本の死刑を求刑した、あるいは判決を下した裁判の見えない葛藤や冷酷さ、冷静さ、正義、情状などが絡み合っているところへ飛び込んで、永山裁判とは何であったかという大きなテーマから、人間の心理や姿に迫っているのだと思います。

先に読んだ「永山則夫 封印された鑑定記録」(堀川惠子、岩波書店)のほうが調査時期が新しいこともあって、永山則夫の鑑定記録(鑑定書、録音テープ)の調査結果からの考察が素晴らしい。

堀川惠子 永山則夫 封印された鑑定記録

この作品 永山則夫 死刑の基準 「永山裁判」が遺したもの は、その前段階の論考になり、永山の裁判記録の流れにそって、裁判にあたった裁判官、弁護士、調査官、永山と獄中結婚をしたミミさん、その他にも永山の交わした膨大な手紙、書物や記録を丹念に解析して考察している。

堀川氏の冷徹すぎるとまでいわれるペンが読者を惹きつけます。

もしも二冊を、いや、二冊をセットで読むのがいいので、読むならば新しい方から(鑑定記録に詳しい作品から)をオススメします。

--

ドキュメントの時代と騒いで、多くの人が小説よりも(事実をかたる)ドキュメントの分野に読書域を広げて、お馬鹿なテレビが追従して、ドキュメントというものとお騒がせ三面記事とかゴシップが混同された低レベルな時代を経て、おまけに新聞メディアまでが三流週刊誌みたいになったのも、広告メディアに侵されてしまったからだと諦めていたのですが。

ドキュメントも地に落ちて魅力を失ったし、見向きもしないかも、と自分で思っていたのですが、捨てたものではない人がいるのだということを知らされました。

どうぞ、堪能してください。
PCを叩けば出て来るお馬鹿なネット情報などに翻弄されずに、実物を自分の眼で確かめてください。

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