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2014年5月14日 (水曜日)

今井 むつみ、針生 悦子 言葉をおぼえるしくみ 母語から外国語まで (ちくま学芸文庫)

言葉をおぼえるしくみ 母語から外国語まで (ちくま学芸文庫)
今井 むつみ、針生 悦子

今井むつみ 言葉をおぼえるしくみ


まず、このタイトルにいかにも匂わせているように、言語習得のメカニズムを解明して語学上達に役立てようとか勉強手法に先手を打ちたいとか、考える人々の神経を少し刺激しておこうと感じられなくもない。いかにも現代的に読者をつかもうとするところが、まあ、残念なわけでアホくさいわけでもあるんですが、目くじらを立ててもしかたがないので、サラリと流す。

先生は当たり前のように「母語」と書いてらっしゃる。やはり、言葉を研究していると「母国語」ではなく「母語」とするところが自然になるのだろう。心づかいというよりはその自然体が嬉しくて読み進む。言葉は(当たり前のことなのだが)母から受け継ぐのだな。それは言語学に限らず、方言や生活習慣、食事作法などでも切実に感じることで、素人の私にも「母語」という響きに優しさが伝わってくる。

この研究は、数理科学や情報科学をやってきた私にすごくストレートにフィットする。(直球的に心に飛び込んできてくれる)

それは、たぶん、私がこれまで接してきた思考方法や実験や分析方法が、先生の行う実験や分析や判断に境目を持たずに限りなく近いからだろう。

つまり、心理学という言葉が入っているけれども、それは明らかに「理学」であるということで、文系のイメージではないのです。
(私が昔に学問をした人間だからそう思うのかもしれません。現代の学生さんたちは、とっくの昔にそんなことは知っておられて、心理学や精神科学は、ノンセクションな域で融合した総合的な理学だと認識しているのでしょうが)
そう思うと、工学から数理科学へと自然な形で専門域をスライドさせてきた私は、漠然とあのころは、もしかしたら、こんな研究がやってみたかったのかもしれないな、なんて思ったりする。行動科学などを工学的にやってみたい、などと言ってアホ扱いでしたからね。(気の多いことも指摘された)

子どもはどうやって言葉を覚えていくのか。興味深いことの前に、言葉と物体や状態をどのように関連付けていくのか。そのきっかけはどんなところにあるのか。
さらに、それらの事象をどうやって切り出して確認すると良いか。そういう解析・判断手法をこの本から読み出すのがおもしろいと思います。

全ては実験で確かめて、解析して、判断して結論付けていくのですが、パズルのように、いや、パズルより複雑で、しかも論理的で、更に、未知なことを掘り起こしていくおもしろさが満ちています。

じっくりとノートを脇において、しっかりと要約をまとめながら読み進むことをオススメします。

以前、今井むつみ「ことばと思考」(岩波新書)を読んで感動していたので、あのときの新鮮な感動は今回はジャンプして、さらに新しく深く追求した実験の手法の凄さに感動したり分析論理に驚いたりしました。

純粋に、人間の思考というものの、基本の基本に戻って見つめていくところが大切で、そういうことができる素直な視野と視点が欠かせません。非日常的思考と戦うとリフレッシュしてきます。(私には職業的にそういう思考が存在するけど、偏屈な視線と捉えられがちですが)

けれども、あまりにも普通の暮らしをしている人や文学歴史とかを愛している人たちには、こんがらがってしまって詰まらなくなってくるかもしれない。どちらかと言うと普段から偏屈な理屈言いのタイプの人が合うのかもしれないが、理学とはそういう穴を埋めるものであるともいえるか。

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コメント

★こはるさん

コメントをありがとう。

たしかに難しい本ですけれども、少しずつ読めば理解できますし、こういうのが好きな方には楽しい本と思います。

2章だけとか、好きな章だけというように読んでも、読めなくはないです。
少し立ち読みしてみてもいいですね。

図書館がオススメかも。(私は借りました)

読んでみたいですが、理解できるかどうか、心配・・・。

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