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2014年4月30日 (水曜日)

北の魅力  花も嵐もⅢ その71

北の魅力とは何だったのか。

あからさまに理由を書いてきたわけではないが、人と違うことをしたかったのだけれども、みんながバイクに乗って誰もが北海道へと行くようなら私は行かないでおこうと、単純にそう考えた。その考えに従ってターゲットを東北に変えてきたけれども、バイク雑誌のブームや充実したキャンプグッズが出回リ始めて、お金さえかければ快適を獲得できるツーリングをする人とは一緒の地域を走りたくないと私は考えたのだろう。彼ら彼女たちに何のポリシーもなかったというわけでもないが、画一化されて同じような格好で高速道をかっ飛んでいく姿を見るのが嫌だったし、道のりを鈍臭く走り続けるイメージの旅人が減ってしまったことが寂しかったのだろう。つまりは、大排気量のバイクでツーリングをすることを市場やメディアが一般化させてきたことで、私の描いているツーリングとは違った旅をしている人たちが増え、それを見るたびに、旅を愉しむ私のスタイルというものは(別に望むわけではないが)流行スタイルではなくなったし、同じようなスタイルや気持ちで旅をする人が減ったことで、変人な生き方を無意識でやっておきながらそんな仲間を見かけなくなったことを悲しんだのだろう。忙しい仕事の合間に旅をするのだから無駄な時間を愉しむなどという贅沢な時代ではなくなったのだ。だから、私は全く別のステージに移動するしかなかった。

GW(大型連休)には、休暇をとって必ず出かけた。意地でも休暇を取るという一種の反発心が会社に対してあったのかもしれない。今考えれば愚かな反抗心ではあるが、普段から使われているという意識の反発のひとつ、心理的な表れであったのだろう。会社の方もそこで休まれても痛くも痒くもなくどうぞ休んで勝手にしろというスタンスだった(この点は恵まれていたのだろうが)ことで、GWは必ず10連休ほどにして出かけた。

1992年の夏に四国を訪れてから四国ファンになっていった。GWは四国、夏休みは東北、秋は信州というようなイメージでツーリングをしてきた。30歳なかごろから40歳の前半ころまでに神に取り憑かれたように走り回った。人生のある一時期にものすごい勢いで夢中になっていたような印象があるが、10年あまりのことであったのだから今から振り返るとその分相当に熱かったのだろう。バイクに乗っていたのが16歳から39年間であったことを考え、冷めた気持ちで振り返ると、これはこれで掛け替えのないものだった。その間に子どもは小学校に入学し高校を卒業する。世の中の家庭的な父親ならば、その期間は家族で団欒に過ごし有意義な休日を送ったのだろうが、私は勝手で気ままなことをしていたのだから、罰当たりであった。

私を東北というエリアに惹きつけたのは、鶴さんがもたらしたイメージも去ることながら、みちのくの大きさと神秘性、東北が持っている潜在的な面白さを発掘する愉しみ、であったのだろう。ことばで表現をするのは難しいので、東北を語ろうとテーマを挙げて考え始めても答えを出せないまま中途半端になってしまう。

そういう意味では、私はまだ東北を走り足りなかったのだとも言えるのかもしれない。そんな反省も湧いてくる。

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