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2013年8月20日 (火曜日)

朝吹真理子 きことわ

知り合いの読書人が文庫になったのを読んだというので、早速私も図書館で借りてみた。
 
とても芥川賞らしい清々しくさっぱりしたタッチで、物語も理屈ったらしくなくて、とても好きなほうです。
 
詩の小説を読んでいるようでもあり、随想のようでもあるのだが、きちんと物語は進展するし、展開に興味をなくすこともない。ただ、読みながら作文を直したくなることがあるけど、これがこの人のこだわりであり、最高の味なのだろう。言い回し表現や視点、立ち位置に譲れないモノを感じることが多い。
 
この一種の頑固さに似た文章の移ろいが、大袈裟ではないが読者を惹く。ドラスティックなドラマ構成でなければ価値のないような今のご時世にどうでもいいような詩的な夢心地は、読者を朝吹文学に酔わせてくれる。★は4つとしようかな。感想下書き。
 

朝吹真理子 きことわ


芥川賞との出会いは、小説とか文学などに全く興味のなかった大学入学したてのころに遡る。

中沢けいという人が群像新人賞をもらった雑誌(群像)をふとしたことで読んで、詩ではなく文章で読み手を引き込んでくるものがあることに出会ったのですが、あのときに芥川賞という物があることにも出会い、こういう文学の世界に興味が出てくるのです。

数限りない賞が反乱するなかで、読み手を惹きつけて得体のしれないような魔術にかけて、何がなんだか分からないままでありながらも、詩ではなく小説を私は味わっているのだという気持ちにさせるような作品が多く集まってくるのが芥川賞で、そこには新鮮なエネルギーが漲っているの。

朝吹真理子の作品にはそんなピチピチ感はなく、プロフィールを読んでもあまり知りたくない内容や年齢であっても、おそらく実際より老けた感じの小説だったというのが肌で感じた感触でした。

新人の雰囲気を感じさせないのだけど、しかしながら、未熟で擦れていない時代の小説家の筆致は心地よく、好きな部類の小説でした。

面白いとかドラマ性を求める人が読むと詰まらないし、大げさに言えば、こんな素晴らしい作品が芥川賞をドンピシャでもらっているのに、芥川賞がつまらなくなったとわかったようなことを言うアホどもと同類になってしまってはたいへんなので、この作品をいいなあと思わない人は芥川賞のことはわからんと言い続けることをおすすめしよう。

芥川賞。大丈夫じゃないか。

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