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2012年12月 5日 (水曜日)

歩き続ける

なにげなしに読書記録を手繰ってみると、数年間に自分がどのような本を手にしたのかがわかる。そこには、自分自身との格闘の末、書物に依る自分の姿も見えてくる。弱くなると頼ってしまう、強くなっても、また拠る。ヒトはどんな自信家であり実行家であったとしても、少なからずこういう側面を持っている。座右と言えば格好がいい。併し、弱音の受け口であってもかまわないもので、そういうまだら模様を人生に残すことがいいと思う。

自分を振り返るには、歴史の足跡を辿るのがいい。谷川浩司の「復活」 羽生善治の「決断力」が目にとまった。

谷川浩司は彼の著作「復活」のなかで、「何度も何度も負けたとしても、自分の道をひたすら歩き続ければ、やがてそこに一本の道が拓けてくる」という言葉を書いている。

これは成功すれば立派な言葉であるし、失敗すれば励ましの言葉でもある。この言葉を補足すると最後の部分に「『拓けてくる』(ことがある)」とするのが正しい。

そもそも、な話であるが、私は「勝ち負け」というものを好まないので、賭け事にしても、何かの競争にしても、さらに誰か(または何か)に対して勝っている状態とか負けている状態という概念のようなモノを好まないできた。何故に嫌いなのかは小さいころから育った環境にもよるのかもしれないが、「そもそも」勝ったところでどうなるわけでもない、喜ぶだけだろう。そんなものを征服しても、侵略しても、優位に立っても、目指すところが揺るぐ訳でもないし、揺るぐような目標であっても困る。

誰とも競うことなく、こつこつと正直に努力をし、苦労を重ねて、何かを積み上げてゆく姿を、小さいときから父親の姿を見て学んでいた。

あの人は何か大きな夢を誰かに打ち明けることもなく逝ってしまい、(周りの)人は十分に満足して幸せな人生だったと評してくれるが、本当は自分のユートピアを描いて夢への途上にいたのではないかと、このごろ夢を見るように想像してしまう。

あの人も何かを誰かと競う人ではなかった。あらゆることにおいて、そういう概念のない人だっただけに、67歳を2ヶ月後に控えていたあのときは、まだ、夢に一歩一歩近づきつつあった途上であったのかもしれない。

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