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2012年6月13日 (水曜日)

日本海 ─ 花も嵐もⅡ その14

峠越えの旅は、私が幾つになるまで続けるのだろうか。いつか、走れなくなる日が来るのか。今ならそんな風にも思うのだろうが、あの頃は考えもしなかった。そして、走れなくなる前に進化の果ての社会が詰まらなくなるとは予想もしなかった。

京都の街を出て出かけるところといえば日本海が多かった。鯖街道を走った。北国へと向かう越前の国道を走った。日本海に面する海は鉄錆色のイメージを放ち、寂しい海岸線だったが、そういう所にも旅情を感じて幾度も出掛けた。

周山街道も走った。そして若狭の海に行くことが多かった。亀岡市から丹波の道を走り抜けて但馬の海を目指したこともあった。

日本海はどうしてあんなに悲しい顔をしているように見えるのだろうか。そう考え続けてある日ひとつのことに気がつく。

日本海に太陽はないのだ。太平洋はいつの時間に行っても、海面に太陽が反射して波が輝くのだが、日本海にはそれはない。夕日が東シナ海に沈むころに、精一杯真っ赤に燃えるチャンスを与えられるのだ。

悲しくなったら日本海を目指す。ホタルイカを食べに浜坂YHに行った思い出。越前では、カニを食べたり鯖寿司を食べたり。海をみながら温泉に浸かったり、砂浜を走ったりする。

本当に一人になりたいと思うときには誰も走ってこない日本海が良かった。

あの頃は、北陸を走り抜ける高速道路などなかったので、国道8号線や9号線を走った。遠くまで延々と地べたを走り続ける旅。そこにはそれなりの美学があったのだ。

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