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2010年10月28日 (木曜日)

木枯らし1号

落ち葉が歩道にひっそりと落ちている。風に舞いながらサラサラと吹かれているならば、いかにも秋に誰かを偲ぶような詩情も湧き出てくるのだろうが、濡れ落ち葉となってコンクリートの歩道にはり付いていた。それが数日前のこと。

落ち葉なんてのが風に舞うのは晩秋のことだ。北山修が京都の街に吹く風を歌ったころはもっと秋の深まったころだっただろう。そんなことを考えて、私はまだ半そでで出かけて行った。しかし…。

26日の夕刻、木枯らし1号が吹いたという。
どこの街も秋色はいっそう深まり、急に襲ってきた冷え込みに悲鳴を上げている。

昔も今も何も変わらない冷たい風が吹いている。
そうよ。おそらく人の心なんて、そう簡単に変わるようなものじゃなくって、秋になったら誰だって悲しくなるのさ。
……と嘯いてみるものの、ちょっと悲しいことがありまして(秘密)。

*

秋。

今はもう会えない人たちを切実に振り返ったり遠くの人を恋しがったりしている。遠い昔を思い出している。

人間なんて、長い歴史が捻じれながらも時を刻む合間で泣いたり笑ったりしている。だから、人が人であるうちはずっと宿命でもあるように、泣き笑いは心に付き纏うのだろう。

私だって数々の落とし物をしてきたよ。
もう拾い歩くのはやめにして、遺言を書かねばならないな。
そんなことを、ときどき考えながら、落ち葉を見つめている。

ちょっと肌に寒さが沁み込むだけで少し弱気になってゆく一面がある。
一方で、少し温まると強い私がモリモリと湧いてきて、俄かに元気になってくる。
この年齢ではまさに生きる元気でもあるのだが、それが我ながら可笑しい。

*

ショーウィンドウ。
木枯らし。
短く切ったキミの髪、風に乱れて、
後ろ姿、光の中へ。

もう追わないから。

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