2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
フォト
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
無料ブログはココログ

京都日記(平成27年7月篇)

  • 鱧のお弁当
    京都日記
    平成27年7月篇

京都日記(平成27年春篇)

  • 焼き鳥
    京都日記
    平成27年版の
    春の日記です

京都日記(平成27年11月)

  • 渡月橋
    京都日記
    平成27年11月篇

« 植村 直己 青春を山に賭けて | トップページ | 読書系 遠藤周作セレクション »

2010年9月29日 (水曜日)

福永武彦 忘却の河


福永武彦 ; 忘却の河


「私がこれを書くのは私がこの部屋にいるからであり、」で始まるのがこの忘却の河であった。この一風変わった書き出しを真似して、友人に手紙を書いたものだ。忘却の河を読み終わった後は妙に落ち着いた自分がそこに居た。

斎藤末弘先生が非常勤講師で母校に来てくれていたとき、一般教養・文学で福永武彦を取り上げたのが私と福永武彦との出会いだった。
先生は、きょうこれから遠藤に会いに行くですよ…講義の合間に話し、遠藤周作のことを表からウラまで語ってくれる。遠藤周作や島尾敏雄、椎名麟三などを取り上げる前に福永武彦だったのか、後だったのかはもはや私の記憶には無いが、電気通信工学科という文学に全く無縁の学科での講義でありながら、先生の話は燦然とした思い出となっている。

二十歳前の学生にこの小説の何がわかるか。まだまだ人生の苦汁の欠片も知らない、いや知ったかのように錯覚しているような若造に、この本の読了は無理だ。もしも、読みきれたとしても、一体オマエに何がわかるのか。

しかし、このときに1度は読了しておかねばならない。何故ならば、30年経って再読をしたときにこの作品の素晴らしさ出会うためには、二十歳で読みきることが必要だったのかもしれない。

私はこの作品を初めて読むときに、この次のページで投げ出そうと何度も思いながらも、とりつかれたように読み耽ったと思う。でも、再読をする今は、次のページを読めるのがいつになろうとも何も恐れることは無い。作品の一文一文をじっくりと味わって読もう、と考えながら幾日も費やして読み進んだ。

30年前に買った文庫本は、これほどまでになるものかと驚くほど茶色く日焼けしている。ページを捲ると便箋を剥ぎ取るときのようにバラバラになるところもあった。

ずっと心の中に大事に30年の間仕舞い続けていたものを1枚1枚棄てなさいと教えられているような気持ちになりながらページを捲った。

| 2007-12-02 11:55 | 読書系セレクション |

忘却の河


自由自在に


(書き出し)

私がこれを書くのは私がこの部屋にいるからであり、ここにいて私が何かを発見したからである。その発見したものが何であるか、私の過去であるか、私の生きかたであるか、私の運命であるか、それは私には分からない。

----
(1章 66ページ)

私は昔ギリシャ神話を読んで、うろ覚えに忘却の河というものがあったのを覚えている。三途の河のようなものだろう。死者がそこを渡り、その水を飲み、生きていた頃の記憶のすべて忘れ去ると言われているものだ。

福永武彦 【忘却の河】から

不思議な魔力によって、からだじゅうを縛られてしまったかのように、私は動けなくなる。これほどトーンの低く暗い小説はそう多くは無いかもしれない。

しかし、詰まらないから投げ捨てるとか、しばらく間が空いたから続きを読むのを断念するということは一切無い。

仏教の経典を読むように淡々と活字を追いながらも、場面は著しく展開もしないにもかかわらず、そのまま私は読み続ける。3-4ページ読むと1-2ページ戻って何かを確かめ、また先へと読み進む。

私は、この書物の放つ波動のようなものを全身で受け止めて、体内の歯車を、またはそれは積み木のようなものかもしれないが、そういったものを丁寧に組み直しているような気がする。

身体の中に潜んでいたものや、腐敗と思って放置していたものが、蘇えることもあれば焼き捨てられてしまうこともある。
ヒトは、時々、冷静を装いながらもヒステリックに、ときには酔ったように、過去を千切り棄てることも必要だ。

--- 時間を戻すこと出来ないんだよ。
--- 大丈夫よ、ボクの記憶の中では自由自在さ。

Tags:忘却 自由 見つめる
| 2007-11-16 20:57 | 読書系セレクション |


銀マド:読書系 ─ アーカイブ (前半) から切り出したものです。

忘却の河

« 植村 直己 青春を山に賭けて | トップページ | 読書系 遠藤周作セレクション »

BOOKs【読書室】」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/46088/49593807

この記事へのトラックバック一覧です: 福永武彦 忘却の河:

« 植村 直己 青春を山に賭けて | トップページ | 読書系 遠藤周作セレクション »

写真日記(平成29年版)

  • 22日 一日一魚はシャケでした
    Days29
    日々の写真に
    コメントを
    綴ります

M's Zoom

  • 帽子が編みあがったという知らせ
    M's Days の
    フォト日記
    ぼちぼちと

写真日記(平成28年版)

  • 越乃寒梅
    平成28年の
    日々の写真に
    コメントを
    綴ります

写真日記(平成27年版)

  • 伊達巻
    平成27年の
    日々の写真に
    コメントを
    綴ります

日々是好日写真記

  • ハーモニカ
    860枚 平成18年から平成26年まで(写真日記)

BIKEs

  • 平成24年(2012年)最後の春(閏日)のKLE
    かつて
    バイク・ツーリスト
    だったころ

Walk Don't Run

  • ユース宿泊スタンプ帳
    忘却をおそれず
    記憶を記録として
    遺そうと思う