« 花の名を1つ | トップページ | いつも空を見ていた 2 »

2010年8月 7日 (土曜日)

いつも空を見ていた 1


いつも空を見ていた

好きだった人

いつも空を見ていた
飛行機雲が見えたら家まで電話をかけてきた
おまえの部屋の窓からも見えるかーって尋ねた
いつも空を見ていた

好きだった人

夜になっても空を見上げていた
星の名前なんか知らないけれど
天文学者になりたいなとつぶやいていた

いつからかわたしも空を見上げるのが好きになっていた
言葉に詰まるとそっぽを向いて空を見た
いつも青空ばかりじゃなかったけれど
そんないくつもの顔を持った空がわたしは好きだった


雨がやんで小鳥がさえずりはじめると
緑の新芽を精一杯に吹き出した森の雑木たちが
ざわめき出すような気がした

峠には木霊が棲んでいた
太陽が差し込み
雨のしずくがきらりと光った

あいつはいつものように空を見上げて言った
別れのときが来た
新しい道を歩もう

空は青く
飛行機雲さえなかった

シリーズ【鳥のひろちゃん】

--

2002年4月
私は、こんなことを「塵埃秘帖」に書いている。
語り尽くせない想いがあったのだが・・・・

| 2002-04-10 20:00 | 鳥のひろちゃん |


初恋の日は枯葉のように

私が変わってしまったのかもしれない
だから、もう、昔のような情熱は
そのかけらさえもなくなったのよ

向かい合えば見詰め合い
手を握り
共にハミングをしてうたったこともあった

人の心は枯れ果ててしまうのかい

貴方を抱きしめて
遠くへ連れ去ってしまいたかった

真っ赤に燃える地球の創世記のような
燃えるような情熱は
すっかりと影をひそめてしまった

もしも今、君に街で出会っても
私は
下手な役者のように照れるだけで
「今は君のことなど好きじゃないよ」ともいえずに
未練な顔をするのだろうか

素直じゃないね
好きなくせに

明日はたなばた様。何をお願いしましょうか。

色あせ消えてゆく私の思い出たち

〔7月6日/2004年〕

Tags:はじまり 追憶

| 2004-08-14 21:12 | 鳥のひろちゃん


海はきらいさ

ほんとうは海が好きだった

初めてアイツと旅をしたときも
江ノ島の海を二人で見つめていた
都会の匂いがしたけれど
あれほど饒舌にしゃべっていた二人が
黙って遠くを見つめていた

決まり文句のように私は海が嫌いだとつぶやいて
アイツがどうしてと問い返したら悲しくなるからとこたえていた

私は日蔭に生まれて日蔭で枯れてゆくのよといつも口癖にしていたあの女
ほんとうは日向(ひなた)に出て幸せに浸りたいと夢見ていたに違いない
ほんとうの悲しさなどあなたにわかるものですか
あなたなんて幸せに溺れて海に沈んでしまえばいいのよ

私が幸せに溺れて深く沈んでゆくことを予言したのかもしれない

・・・・

もしもあの時私がアイツに海が嫌いだなんていわなかったら
今頃は違うドラマがあったのだろうか

※北山修詩集を手にとって
二人の恋がウソだったのだろうかと笑ってみる

〔7月22日/2004年〕

| 2004-08-14 21:33 | 鳥のひろちゃん


夢で もし逢えたら 素敵なことね

幾人もの人たちが通り過ぎるなかで
偶然に私があなたの前で立ち止まった
タダそれだけの出会いだった

名も知らぬ人なのに何ヶ月か後には友達になり
何年か後には恋人になり
夜通しで人生を語り
雨にも負けず旅をした


再会のときは、別れのときだった
あなたと私はいつも雨の中で、雨の中を散策していたのに


あの日ばかりは晴れていた
桜の花は散っていたけどツツジは綺麗に咲いていた
花びらをひとつちぎって蜜を吸ってお別れだった

あなたに逢うために 眠りたい

〔7月25日/2004年〕

| 2004-08-14 21:45 | 鳥のひろちゃん


流れる雲を追いかけながら本当のことを話してみたい

旅に出ると必ずひとりで歌を歌う。
よしだたくろう
ヘルメットのなかで大声を張り上げて歌うの。

やがて、
知っている歌が無くなって、同じ歌のサビばかりを繰り返している。

あなたに逢うために幾晩も掛かって幾つもの山々を越えて走り続けたときも
空を見上げては、吉田拓郎を歌った。

どうしても逢いたい。ひとめでいいから逢いたい。

おしゃべりな私は、逢えばあなたから離れることができなくなるだろう。

積もる話もある。
言い訳もある。
抱きしめたい。

本当のことを話してみたい。

| 2004-08-21 08:13 | 鳥のひろちゃん


そばかす

オリンピックの中継をラジオが流している。通勤帰り。

それほどスポーツや勝負に興味があるわけではないので
2時間も車の中でこんな放送を聞き続けるのは苦痛だ。

そんなわけで、カセットを適当に探し当てて入れてみたら
ジュディマリのユキちゃんの声だった。

そばかす

コレは、あの人が(どの人よ?)くれたテープだ。
いやだな未練たらしい…と思いながら
「そばかす」を聴いている。

♪----
そばかすの数を かぞえてみる
汚れたぬいぐるみ抱いて
胸をさす トゲは 消えないけど
カエルちゃんも ウサギちゃんも
笑ってくれるの

想い出はいつも キレイだけど
それだけじゃ おなかがすくの
本当は せつない夜なのに
どうしてかしら?
----

この歌を聴くと
そばかすだらけだったあの子を思い出し、
どれほど憎んでいても
ひとときだけは許してしまう。。。

| 2004-08-24 22:49 | 鳥のひろちゃん


五番街のマリーへ

天気が崩れ始めた。
山霧が峠を覆う。

バイクに乗る旅人は、
どんなに雨がきつくても
どんなに峠が寂しくても
弱音を吐いてはいけない…

そんな意地があるものか。

私はひとりで山の中を走り続ける。
霧の中で、うたをくちずさむ。
同じフレーズをくり返しくり返し…

| 2004-09-04 08:49 | 鳥のひろちゃん


風は生まれ旅をして

バイクに乗っているときは
僕は風だ。
風のように行く当てもなく
自由の時空を彷徨う。

しかし、
それはひとつの妄想なんだなと思い始めると
一気に現実に引き戻される。

僕は君に逢うために旅をしている。
遠い街に住んでいる君にどうしても逢って
僕と結婚しようと伝えなくてはならない。

いつかは同じ場所へ戻ると
話してた君

最後に別れてきたあの場所に行けば
再び逢えるのだろうか。
夢を実現しようと語り合ったときに
二人で住もうと相談した遥かな街を訪ねれば
君はいるのだろうか。

あの場所を覚えてる今でも

僕の知らない歌をカセットテープに入れて君はくれたね。
今、それを聴いているんだ。

遊佐未森の「風の吹く丘」というんだ。

----

 風向きが変わる前に 走ればまだ間に合う
 どうしても言えなかった 言葉を君のもとへ
 風向きが変わる前に 走ればまだ間に合う
 胸の中しまいこんだ 想いを君のもとへ

| 2004-09-05 18:18 | 鳥のひろちゃん


何の期待もしない とは なんてロマンチックだろう
 (散リユク夕ベ 銀色夏生 から)

京都の街の繁華街から少し外れた大通りでした。その通りの橋の下を琵琶湖疎水が流れていて、枝垂れ柳が川べりに幾本も植えられていました。

そこでひとりの女性と出会いました。でも、それは儚い出会いでした。喧嘩をして別れて、仲直りをして再び喧嘩をして…。大原三千院をふたりで訪ねたときはお互いが無言でした。

1冊の詩集を私の机の上に置いたまま、その子は私の前から消えてしまって、二度と会うことがなくなりました。

詩集の一節
  . .
  何の期待もしない
  とは
  なんてロマンチックだろう
  . .
何かを予言していたのだろうか
私に何を告げたかったのだろうか

あれから何冊か銀色さんの詩集を読んだけど、「散リユク夕ベ」だけが本棚でブリンクしてるのです。

-----

銀色夏生 散リユク夕ベ 銀色夏生 詩集から

| 2004-09-15 21:46 | 鳥のひろちゃん


さよならは別れの言葉じゃない

そうだ

ぼくは、あいつと別れるときに
さようなら
なんていう洒落た言葉なんか、言わなかった
何て言ったんだろうか

だから、二度と逢えなくなってしまったんだ…

再び逢うなんて
そんな約束なんて
交わさなかった

| 2004-09-22 14:11 | 鳥のひろちゃん


僕たち何も知らずに別れたのか

僕たち
唇が腫れるほどキスをしたのに
好物のこととか
キライなものとか
好きな音楽とか
血液型とか
本とか
ドラマとか
知らないまま別れたね。

ああ、おでんを食いたいな。
そう、キミとだよ。

| 2004-10-06 22:20 | 鳥のひろちゃん

« 花の名を1つ | トップページ | いつも空を見ていた 2 »

(追憶) 鳥のひろちゃん」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/46088/49081536

この記事へのトラックバック一覧です: いつも空を見ていた 1:

« 花の名を1つ | トップページ | いつも空を見ていた 2 »

写真日記(平成28年版)

  • 越乃寒梅
    平成28年の
    日々の写真に
    コメントを
    綴ります

写真日記(平成27年版)

  • 伊達巻
    平成27年の
    日々の写真に
    コメントを
    綴ります

京都日記(平成27年春篇)

  • 焼き鳥
    京都日記
    平成27年版の
    春の日記です

京都日記(平成27年7月篇)

  • 鱧のお弁当
    京都日記
    平成27年7月篇

京都日記(平成27年11月)

  • 渡月橋
    京都日記
    平成27年11月篇

日々是好日写真記

  • ハーモニカ
    860枚 平成18年から平成26年まで(写真日記)
2018年8月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
フォト
無料ブログはココログ