« 二人して流星になる [第4話] | トップページ | 終バスを見送る二人のあかね空  [第6話] »

2010年6月27日 (日曜日)

京都の秋の夕暮れは  [第5話]

2004年 11月 17日

手元に1枚の書きさらしの手紙がある。万年筆のインクが日に焼けてかすれはじめて、便箋も染みだらけになっていた。

加川良は語りかける。さらに、詩は続く。

♪ 京都の秋の夕暮れは コートなしでは寒いくらいで 丘の上の下宿屋は いつも震えていました

そうか、もう、コートなしでは寒いだろうな、そんな季節になったのか。

私は便箋を手にとって過去を探るように滲んだ字を見つめている。ひどい文章だけど、二十歳過ぎってこんなものよね。たぶんボツとなった手紙だろう。棄てるのもナンだしメモっておこうか。

鶴さんへ
木枯らしがこの冬初めて吹いた今日は、
アナタはどこでどう過ごされたんでしょうか?
元気な様子ですね。
3 回風邪をひくと冬になり3回風邪をひくと春になる、
なんて言いますが、まだまだ春は遠いようでも・・・・
と書きたくなる。
28日土曜日
午後、早々に部屋に辿り着いたら、
速達届いてました。
大変嬉しゅうございました。
ほんとに泣いたんです。
私って本当に泣き虫なんですね。
布団に横になっても滲むようにあふれてくる。
それに感情が乗っかっておいおいと声を上げて泣いている。
毛布をかぶってみても、悲しいものは本当に悲しいのだから・・・・
今だからこういうふうに笑いながら書いているけど、
僕にはどうしようもできないんだと思うと、悔しかった。

----

彼女は福島県郡山市のほうで仕事が見つかったんだ。
冬を都会で過ごして、私は京都に。彼女は福島県へと別れてしまうことになるのでした。

« 二人して流星になる [第4話] | トップページ | 終バスを見送る二人のあかね空  [第6話] »

(追憶) 居酒屋・鶴さん」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/46088/48731643

この記事へのトラックバック一覧です: 京都の秋の夕暮れは  [第5話]:

« 二人して流星になる [第4話] | トップページ | 終バスを見送る二人のあかね空  [第6話] »

M's Zoom

  • ゆうちゃん
    M's Days フォト

写真日記(平成28年版)

  • 越乃寒梅
    平成28年の
    日々の写真に
    コメントを
    綴ります

京都日記(平成27年11月)

  • 渡月橋
    京都日記
    平成27年11月篇

京都日記(平成27年7月篇)

  • 鱧のお弁当
    京都日記
    平成27年7月篇

京都日記(平成27年春篇)

  • 焼き鳥
    京都日記
    平成27年版の
    春の日記です

写真日記(平成27年版)

  • 伊達巻
    平成27年の
    日々の写真に
    コメントを
    綴ります

日々是好日写真記

  • ハーモニカ
    860枚 平成18年から平成26年まで(写真日記)

Walk Don't Run

  • ユース宿泊スタンプ帳
    忘却をおそれず
    記憶を記録として
    遺そうと思う
フォト

BIKEs

  • 平成24年(2012年)最後の春(閏日)のKLE
    かつて
    バイク・ツーリスト
    だったころ
サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
2018年6月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
無料ブログはココログ