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2010年3月 7日 (日曜日)

磨く。

▼正月が明けてまもなく、親父の十三回忌をした。いまさら悲しみも悔やみもあるわけではないが、死んでしまった人はそのままそこで生き残ったのと同じように年齢を重ねることがない、というか、逆に歳をとることができないまま歴史の横軸にそっと置かれてしまう。

▼ご当人は亡くなってしまって、私が後を追ってそちらに参るのを待っているのでしょうが、歴史が止まったままのところと、刻々と風化しているところとが私の頭の中にあって、お経を唱えるのを聞きながら、時間軸を折っている。
そう、時間軸を折るというのは、マッチの軸をポキリと折り曲げるように、何の感情もなくポキリなのだ。

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▼靴を磨いて玄関に揃えてくれたのを、急に思い出した。高等学校に初登校する朝、初めて履く革靴をピカピカに磨いて玄関の式台の前に揃えて置いてくれたのだ。

▼私が新しく学校に通い始めることが自分のことのように嬉しかったのだろう。しかも、よその子よりも病弱だったのにそこまで育ったので、それなりに感慨があったことも間違いない。もちろん、それから何年も後には大学も卒業し、社会人になって、結婚もして子供もできるわけだから、過ぎ去ってしまった歴史の上ではささやかなひとつの「通過儀礼」であったといってしまうこともできるが。

▼そういいながらも、そこには、もっと熱いものがあったのだ。靴を磨く、という行いは農家の親父には滅多にないことだ。冠婚葬祭くらいかもしれない。磨いたこともないかもしれない靴を、丁寧に息子のために磨いていた姿は、子どもを社会に送り出したことのある人にしか理解できまいが、親父はそこで様々な祈りと希望と夢と、そして感謝を唱えていたに違いない。

▼ピカピカの靴を履いて胸を張って街へ出よう。そんなふうに自信を持てるようになったのは社会人になって、自分も大人の仲間入りをしても、まだ未熟であったかもしれない。

▼磨かれた靴にも、熱いものがあった時代がある。今の社会が荒廃して、寂しいものになっていると嘆く人があるが、もしかしたらこういう「心」が消滅しつつあることと関係あるのかもしれない。

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