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2010年2月11日 (木曜日)

吉川英治著 宮本武蔵

吉川英治著 宮本武蔵



宮本武蔵は全部で8冊。
きれいな装丁。

真ん中へんで、武蔵が江戸に行ってしまったあたりは、物語自体が面白みを持たないので、少しテンポが落ちるものの、全体的に引き込まれっぱなしになることは間違いない。

一気読みのできる人は、お気をつけください。
眠れない夜をすごすことになります。


吉川英治著
宮本武蔵

---
吉川英治という人のことを何度も自分の読後感想文の中に書いておきながら、その代表作である宮本武蔵についての感想に触れていないことに気がついた。

もうかれこれ十年ほど昔に毎日昼休みの僅かな時間に読み続けたのを思い出す。ほかにも寝床などで別の本を読むので、そちらが先にどんどんと読了してゆき、宮本武蔵は一年ほどかかって読了したのではなかったか。

司馬遼太郎と吉川英治を並べて見ると、司馬遼太郎は落語のように語り、吉川英治は講談を聞くように流れてゆく。

両者を比べることはまったく意味のないことだが、司馬遼太郎も宮本武蔵についての本を一冊書いていて、それは薄っぺらいもので、私はこの人物にはそれほど魅力を感じていないんだけど、みたいな構えで書かれていた印象がある。


吉川英治の宮本武蔵は八冊ある。司馬の竜馬がゆくに相当することになろうか。

面白さでは司馬遼太郎よりも面白いかもしれない。さすが戦前に多くの庶民までもが夢中になって読み、そのあらすじだけでも延々と語り継がれてきた物語だと思う。

吉川の文章を読み始めると、最初は面白くないと思う人が多いかもしれない。紋切り型で味がない。旨みも甘みもない。しかし、時を刻むリズムは一定で、場面の変化も安定している。面白さがじわりと出てくる作品が多いのもこのせいだろう。

長編が多いので今の時代には人気も然程ないかもしれないが、馬鹿げた売りとテンポだけを狙ったあらすじに毛を生やしたような作品が多い昨今、確かに次々と出版される面白そうな作品に目を奪われるものの、映画もテレビもない時代に書かれた吉川英治のような作品をじっくり読んでみるのは面白い。

余談だが、お正月に伊勢神宮に行ったときに、武蔵が伊勢へと来る一節を思い出す。猿田彦の前で立ち止まると感慨深いものがあるのだ。
そんな話はいくらでもあり、木曽路を旅すれば男滝、女滝の前に佇んでしまう。

武蔵という人物が、小説どおりの人間であったのかどうかは吉川英治に尋ねなければわからないが、歴史上の人物を小説の上で読むということにおいては、司馬遼太郎の「風神の門」「梟の城」、阿川弘之の「山本五十六」の素晴らしさでさえ、吉川英治の「宮本武蔵」を追い抜けなかった。やはりこれが一番かもしれない。


| 2010-02-11 13:08 | 読書系セレクション |

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